結核対策における保健師活動
わが国の結核対策は結核予防法(1951年)によって行われ、結核の減少と社会環境の変化に伴い、2006(平成18)年に大改正されました。今回は服薬支援(DOTS)についても学習しノートを作成していきます。
参照資料はインターメディカルの「公衆衛生看護学.jp 第5版 データ更新版(2022)」とメディックメディアの「公衆衛生が見える(2022〜2023)」を中心にまとめていきます。
結核とは
- 抗酸菌の一種である結核菌の空気感染による感染症。
結核菌は冷暗所で3〜4ヶ月生存しうるが加熱や直射日光には比較的弱い。 - 感染症法では2類に指定されている。
- 主に肺に病巣を形成するが、肺以外の臓器にも病変を認める。
- 初感染時に発症する一次結核と、初感染時には発症せず体内残存菌が分裂・増殖し発症する二次結核(再燃)、さらに再感染(他者由来の結核菌が再感染)がある。
- 感染者のうち結核を発病するのは1割程度。
日本の結核対策法令の推移
- 1919(大正8)年 (旧)結核予防法
- 1951(昭和26)年 (新)結核予防法
- 2004(平成16)年 結核予防法改正によりBCG接種はツベルクリン反応を省略し直接接種。
- 2007(平成19)年 結核予防法が廃止され「感染症法」「結核に関する特定感染症予防指針」へ移行。
BCGは「予防接種法」へ移行。
結核の法令規定条項
感染症法の内容:結核指定医療機関、特定感染症予防指針、結核医療の公費負担、定期健康診断とその基準・受診義務、結核登録票(ビジブルカード)、保健所からの家庭訪問指導、医師からの指導等について明記されている。
予防接種法:BCG接種(定期A類疾病)生後12ヶ月未満に直接接種 *ツベルクリン検査は実施していない。
日本における結核の現状
- 結核は戦後減少傾向だったが、1997年に新規発生結核患者数、罹患率が共に上昇傾向がみられ、1999年に旧厚生省より「結核緊急事態宣言」が発令された。
- 2020年末の結核登録患者は約32,000人と多く、特に高齢者の死亡率が高い。
先進国中でも高い値が継続し、依然として重大な感染症。 - 新登録結核患者の6割は70歳以上の高齢者が占めている。
- 日本における問題点は、学校・医療機関・老人関係施設などの集団感染や多剤耐性菌の出現、高齢者や在日外国人(フィリピン、ベトナム、中国の順)における結核患者の増加があげられる。
結核の医療体制
結核患者および結核が疑われる者に対して
- 治療開始時の喀痰検査など、潜在性結核診断時のツベルクリン反応検査・QFT検査
- 治療中の検査(喀痰検査、胸部X線検査)
- 結核の治療法(化学療法、外科的療法、装具療法)
インターフェロンγ遊離試験(IGRA イグラ)とは:結核菌特異抗原刺激によりエフェクターT細胞から遊離されるインターフェロンを指標とした検査法。ツベルクリン反応検査ではBCG接種者が多い日本では偽陽性率が高くなるため、このIGRAが用いられるようになった。
喀痰検査の種類:抗酸菌塗沫検査(1日以内に結果)、培養検査(4、5日から数週間で結果)、同定検査(15分〜1日以内で結果)、薬剤感受性検査、遺伝子検査(おもに拡散増幅法)等
初回治療の場合:イソニアジド(INH)、リファンピシン(REP)、エタンブトール(EB)/ストレプトマイシン(SM)、ピラジラミド(PZA)の4剤を含んだ6ヶ月の治療。
妊婦、肝機能障害がある場合はPZAを除く3剤を9ヶ月使用。
その他の抗結核薬:レボフロキサミン(LVFX)、デラマニド(DLM)、べダキリン(BDQ)がある。
DOTS(直接監視下短期化学療法)
結核菌の薬剤耐性の獲得を防ぎ、確実に治療するためには、3剤以上併用の化学療法を6ヶ月以上にわたり続けることが重要。
医療従事者が患者が服薬するところを実際に見て確認し、治療の失敗・脱落を防ぐ。
入院時に行う院内DOTSでは服薬習慣を身につけるまでの活動支援を実施する。
外来治療で行う地域DOTSでは、外来や保健所などの見守り、服薬後のパッケージ保管や残薬数のチェックなどを行う。
感染症法に基づく保健所の役割
発病予防(予防接種、潜在性結核感染症LTBI治療)、早期発見(定期健康診断、接触者健診)、患者登録管理(患者発生届、入退院届、患者登録、精密検査)、感染拡大防止(就業制限、入院勧告、移送、積極的疫学調査)、医療(医療費公費負担、感染症診査協議会、服薬支援)
健康診断の対象となった人は、2年間にわたって健康診断が行われる。
保健所が実施主体となり、コホート検討会を行う(年2回以上):DOTS対象者全員の分析検討等。
接触者健康診断の対象者区分
- ハイリスク接触者:乳幼児(特にBCG未接種者)、免疫不全疾患、管理不良な糖尿病等
- 濃厚接触者:同居家族、生活や仕事で毎日部屋を共有、患者と同じ車に数回同乗、換気の悪い空間を共有等
- 非濃厚(通常)接触者:週1回程度、短時間あった等
- 非接触者
【hokenCより一言】
「place4の保健師国家試験対策ノート」では、数回に渡り災害保健や感染症についてまとめていきました。私自身も現場での経験があまりない領域だったので初学者のような感じでノートを作成しました。今は具体例などの学びを深める段階ではなく、不足部分が多いな〜と感じています。
次回からは保健師活動の軸になる「地域保健活動のプロセス」についてまとめていきたいと思います。この分野は理論や専門的な用語も多い印象ですが、地域診断や地域組織活動、地域ケアシステムなど、公衆衛生看護学実習の時に体験した内容が蘇ってくることを期待して進めていきます。
国家試験にも必ず出題される領域ばかりですので、楽しみながら参考書を読み進めていきたいと考えています。
明日は愛犬gomaちゃんのトリミングの日です。
私は現場で3時間程度滞在する予定ですので、ウインドーショッピングなどしながら気晴らしをします。他のワンちゃんもいるので楽しみです。
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