出題基準:
地域・集団の特性に応じた地域ケアシステム
青年期・壮年期・向老期に特徴的な健康課題への支援
レセプト情報・特定健診等情報データベース〈NDB〉の活用
保険者・医療提供施設との連携
成人期に発症する疾患(がん、心血管疾患、糖尿病、慢性腎臓病)の重症化予防
生活習慣病予防と特定健康診査・特定保健指導
健康課題の共有とグループ支援
【 文 献 】
- 医療情報科学研究所 編:「保健師国家試験のためのレビューブック 2023 第23版」、メディックメディア、2022
- 荒井 直子 他 編:「公衆衛生看護学.jp 第5版 データ更新版」、インターメディカル、2022
- 医療情報研究所 編:「公衆衛生がみえる 2022-2023」、メディックメディア、2022
- 『標準保健師講座』編集室:「2023年版 医学書院 保健師国家試験問題集」、医学書院、2022
- 医療情報科学研究所:「クエスチョン・バンク 保健師国家試験問題解説 2023 第15版」メディックメディア、2022
*今回は文献(1)(2)(3)を参照しながら、ノート作成しています*
生活習慣に関する健康課題
生活習慣病は「食習慣、運動習慣、休養、飲酒等の生活習慣がその発症・進行に関与する疾患群」と定義されている。
メタボリックシンドローム
内臓脂肪型肥満を基盤として高血糖、脂質代謝異常、高血圧が集積し、動脈硬化性疾患の発症リスクが高くなった病態をいう。
診断の目的は、動脈硬化のリスクが高い人を早期に見つけ、生活習慣の改善によって内臓脂肪の蓄積を防ぎ、動脈硬化性疾患の予防をすることである。
40〜74歳でメタボリックシンドロームが疑われる者と予備群と考えられる者(男性54.4%、女性16.7%)
特定健康診査・特定保健指導
- 将来の医療費の適正化を図るにあたり、生活習慣病予防が重要と考え、2008(平成20)年4月から特定健康診査・特定保健指導が開始された。
対象者は40〜74歳の医療保険加入者である。 - 記録については作成日の翌年度から5年を経過するまで保存しなければならない。
- 健診結果はマイナポータルを通じて本人が閲覧できる仕組みが構築されている。
基本的な検査項目:既往歴、身体計測、理学的検査、血圧測定、尿検査、血液検査(脂質・肝機能・血糖)
詳細な検査項目:心電図、眼底、貧血、血清クレアチニン等 (医師が必要と判断したものを選択)
保健指導対象者の選定
- (1)腹囲(男性 85cm以上、女性 90cm以上)または
(2)腹囲(男性 85cm未満、女性 90cm未満)かつBMI 25以上 - ① 血糖
空腹時血糖値 100mg /dl以上 または HbA1c(NGSP値)5.6%以上 - ② 脂質
トリグリセリド(中性脂肪)値 150mg /dl以上 または
HDLコレステロール値 40mg /dl未満 - ③ 血圧
収縮期血圧 130mmHg以上 または
拡張期血圧 85mmHg以上 - ④喫煙歴の有無
- ⑤ ①〜③の薬剤治療の有無
〈グループ分け〉
(1)の腹囲に該当し、①〜③が
2つ以上該当または1つ該当+喫煙歴あり:積極的支援
1つ該当+喫煙歴なし:動機づけ支援
0つ:情報提供
(2)の腹囲・BMIに該当し、①〜③が
3つ該当または2つ該当+喫煙歴あり:積極的支援
2つ該当+喫煙歴なし、または1つ該当:動機づけ支援
0つ:情報提供
*保健師は検査結果が、対象者の身体機能と生活習慣との間でどのように関連しているかを説明し、対象者が十分理解し、納得できるよう支援する(行動変容につなげることが重要)
特定健康診査・特定保健指導の評価指標
- ストラクチャー(構造)評価
仕組みや体制を評価(職員、予算、施設、設備、他機関連携、社会資源等) - プロセス(過程)評価
手順や活動状況を評価(情報収集、アセスメント、問題分析、目標、指導手順等) - アウトプット(事業実施量)評価
事業結果を評価(健診受診率、保健指導実施率、継続率等) - アウトカム(結果)評価
対象者の行動、目的・目標の達成度、成果等を評価(肥満度や血液検査等の健診結果、有病者や予備群、死亡率、要介護率等)
高血圧症
狭心症、心筋梗塞、脳卒中、腎不全、眼底出血などの原因
(肥満、ストレス、喫煙、塩分過多、飲酒などのリスクを減らすよう指導)
脂質異常症(高脂血症)
高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセリド(TG)血症のいずれか
診断基準(空腹時採血)
- LDLコレステロール:140mg /dl以上(120〜139が境界域)
- HDLコレステロール:40mg /dl未満
- トリグリセリド:150mg /dl以上
- Non -HDLコレステロール:170mg /dl以上(150〜169が境界域)
糖尿病
自己免疫や遺伝因子などにより主に小児から思春期に生じる1型糖尿病
生活習慣や遺伝因子により主に中高年に生じる2型糖尿病
糖尿病が進行すると、網膜症、腎症、神経障害などの合併症を引き起こす(患者のQOL低下、社会の医療経済負担が生じる)
健康日本21(第二次)では糖尿病性腎症による年間新規透析導入患者数の減少が目標となっている。
糖尿病性腎症重症化予防プログラム(未受診者・受診中断者等)
慢性腎臓病(CKD):蛋白尿やGFRの低下等が3ヶ月以上持続する状態
重症化により透析療法や腎移植が必要となる
食事療法の基本は食塩摂取制限(病期の進行に合わせてタンパク質やカリウム・リンを制限)
慢性閉塞性肺疾患(COPD):たばこの煙などの有害物質を長期にわたって吸入
咳や痰、体動時の息切れ、高齢になるほど有病率が増加
健康日本21(第二次)では認知度の向上(80%)を目標にしている。
データヘルス計画
平成25(2013)年の日本再興戦略において、すべての健康保険組合に対し、レセプトや健康診査の結果(ICT化したデータ)を活用するデータヘルス計画が策定された。
この計画は、医療保険者が特定健康診査やレセプト情報を分析し、保健事業をPDCAサイクルで効果的・効率的に実施するための計画である(特定健康診査等実施計画と一体的に策定することが大事)
事業者とコラボヘルスによる健康経営も推進されている。
日本におけるがん対策
- がん対策基本法:2006年に成立
2016年の改正では、がん患者の就労支援やがんに関する教育推進が基本的施策に盛り込まれた(①がん予防・早期発見の推進、②がん医療の均てん化の促進等、③研究の推進等、④がん患者の就労等、⑤がんに関する教育の推進)
- がん登録:2013年12月に「がん登録等の推進に関する法律(がん登録推進法)」が制定された。全国がん登録(氏名、性別、生年月日等を含む)は、2016年1月から開始。
患者の同意は不要である。
データは国が一元管理(がん罹患数、罹患率、がん生存率、治療効果等) - がん検診:「健康増進法」に基づく検診
厚生労働省は「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」を示している。
胃癌:胃X線検査または胃内視鏡検査(50歳以上、2年に1回)
肺癌:胸部X線検査、喀痰細胞診(40歳以上、年1回)
大腸癌:便潜血検査(40歳以上、年1回)
乳癌:乳房X線検査〈マンモグラフィ〉(40歳以上、2年に1回)
子宮頸癌:視診、子宮頸部の細胞診、内診、必要時コルポスコープ検査(20歳以上、2年に1回)
第3期がん対策推進基本計画:平成29(2017)年〜
がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指す。
1 科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実
2 患者本位のがん医療の実現
3 尊厳をもって安心して暮らせる社会の構築
がんの一次予防の中で「望まない受動喫煙のない社会をできるだけ早期に実現すること」を個別目標としている。
目標
がんの予防:成人喫煙率12%、妊婦・未成年者0%
がんの早期発見:検診受診率50%、精密検査受診率90%等
【hokenCから一言】
今回の成人保健の領域は盛りだくさんで、1回にまとめてしまうのはどうかな〜と感じました。
社会を支える中心的な世代が対象となっている健康対策ばかりで、公私ともに把握しておく必要性があるなと思いました。
秋になればhokenCも、かかりつけ医のところで特定健康診査を受けます。ここ2〜3年は在宅時間が多くなり運動不足もあって体重や腹囲の増加が気になります。例年のことですが、健診の数日前から緊張感が高まってきます。保健師としてはどうかと思いますが、前日から食べすぎないように、また比較的低カロリーのものを摂取して受診します。
今のところ保健指導の対象にはなっていませんが、もしも今後、支援の対象者になった場合のことも考えておかなければなりません(どのように言い訳をすれば良いか?)。今は健康リスクも考慮しながら生活習慣の悪化を予防しておきたいところです。
ストレスがあまりかからない私なりの健康生活を編み出して過ごしていきたいです。
次回からは対象者の年齢がアップします。
高齢者保健の領域をまとめノート作成していく予定です。
今は一通り、学習を進めていくことを最優先しているので、国の指針や法の改正内容など細かなリサーチが不足しています。
また時間を見つけて厚生労働省などのサイトを開き確認していきたいと考えています。
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