出題基準:
心の健康づくりと保健指導、健康増進計画
日常生活における自立支援、社会復帰・地域生活支援
日常生活又は社会生活を営む上での制約に対応した支援
対人関係の困難に対する支援
二次障害の予防
社会資源・サービスの活用と調整、地域のサポートシステム
関係者・機関との連携、地域ケアシステムの構築
共通の課題をもつ小集団への支援
自殺企図者、自死遺族への支援
【 文 献 】
- 医療情報科学研究所 編:「保健師国家試験のためのレビューブック 2023 第23版」、メディックメディア、2022
- 荒井 直子 他 編:「公衆衛生看護学.jp 第5版 データ更新版」、インターメディカル、2022
- 医療情報研究所 編:「公衆衛生がみえる 2022-2023」、メディックメディア、2022
- 『標準保健師講座』編集室:「2023年版 医学書院 保健師国家試験問題集」、医学書院、2022
- 医療情報科学研究所:「クエスチョン・バンク 保健師国家試験問題解説 2023 第15版」メディックメディア、2022
*今回は文献(1)(2)を参照しながら、ノート作成しています*
精神疾患を有する対象の特徴
社会・心理的な要因、遺伝・体質的な背景、脳・神経系の器質的異常の3つが絡み合って発症
- 発症早期のうちに治療につなげることが難しい。
- 医療の継続に困難を伴い、その影響が他者に及ぶ場合がある。
- 精神障害による社会生活上の困難が理解されにくい。
精神障害者に対する支援
- 治療開始に向けた支援
精神障害者本人に自覚がない、または疾患を認めない場合が多いため、本人以外の人(家族・近隣住民等)から相談が持ち込まれることが多い。
情報を収集し、緊急性の判断、今後の対応方法の選択を行う。
保健所の精神保健福祉相談があり、精神科医に相談する機会が設けられていることもある。
保健師としては本人に会える可能性がある家庭訪問や面接相談を提案する。
拒否や症状悪化の可能性がある家庭訪問では、複数の支援者で訪問することが望ましい。
緊急時であっても信頼関係の形成が重要(共感的態度、根気強く、説得は避ける、家族を支援等) - 退院に向けた支援
必要に応じて訪問看護の導入を検討 - 治療継続のための支援
内服治療の継続が重要、生活状況や受診状況の把握をし支援すること。
生活リズムを整え、日中の居場所を確保するため、地域の社会資源を活用する。
家族に対しては、必要に応じて受診同行の提案や家族会の紹介等を行う。 - 社会復帰のための支援
近隣住民からの相談
- 保健師は公平・公正な立場をとる。
- 困っていることやその理由等に傾聴し、受容する。
- 保健師は本人や家族からも事実や過程を聞き、今後の対応を一緒に考える。
- 個人情報保護や守秘義務の観点から、近隣住民に精神障害者本人の病状や病歴等を提供してはならない。
地域社会での精神保健福祉活動
- ハイリスク者の早期発見
- 精神障害者に対応した地域包括ケアシステムの構築
- 地域における社会資源の創出
- 精神障害者の人権を守る精神保健福祉活動
発達障害者支援法
発達障害者は「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害があって、その症状が通常低年齢において発現するもの」と定義されている。
発達障害者支援センター:都道府県・指定都市は設置できる
相談に応じ、医療・保健・福祉・教育・労働などについて総合的な支援を行う専門機関
発達障害者(児)に対する支援
集団生活や家庭での様子を情報収集し、パニック等の症状のきっかけや原因についてアセスメントする。
障害に応じた特徴を把握し、対応方法や対策を家族や関係機関と情報共有(調整・支援)する。
- 広汎性発達障害:事前に予定を伝える、視覚情報(イラストや写真)を活用、曖昧な表現を避ける。
- 学習障害:学習方法の工夫(ふりがな、計算機・・・等)
- 注意欠陥多動性障害:指示は簡潔に、座席は最前列の位置にして集中できるよう工夫をする。
失敗や挫折を繰り返すことにより二次障害が発現することがある(暴言・暴力・不登校・引きこもり・反社会的行動等)
自己肯定感が持てるよう対応することが大切。
自殺対策基本法:社会問題ととらえ、国、地方自治体、事業主、国民の責務を明確化
自殺の防止と自殺者の親族等の支援の充実を図り、生きがいを持って暮らすことができる社会の実現を目的としている。
自殺総合対策大綱:平成19(2007)年に策定され、平成29(2017)年に見直し
重点施策
- 地域レベルの実践的な取り組みを支援・強化
- 国民一人ひとりの気づきと見守りを促す
- 調査研究等を推進する
- 人材の確保、養成および資質向上
- 環境の整備と、心の健康づくりの推進
- 適切なサービスを受けられるようにする
- 社会全体の自殺リスクを低下させる
- 自殺未遂者の再度の自殺企図を防ぐ
- 遺された人への支援を充実する
- 民間団体との連携強化
- 子ども・若者の自殺対策を更に推進
- 勤務問題による自殺対策を更に推進
目標:令和8(2026)年までに自殺死亡率を平成27(2015)年と比べ、30%以上減少させる
【hokenCより】
今回の精神保健は3回分を一気にまとめて公開しています。
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