ごまごま保健室だより 第3号「健康のための指針(栄養・運動・休養)」

hokenCから

今回は、国が出している健康指針をベースに日常生活の振り返りを行いました。
とても生真面目な内容ばかりですが、心身のバランスをとりながら、充実した毎日を過ごすためには、参考になる内容だと思います。せっかく生きているのだから、少しでも楽しく過ごせる技を身につけていきたいですよね。
そういう点では保健師になるための学習内容は、とても参考になります。

hokenCは現在、最新版の「国民衛生の動向」を読み進めています。
書かれてある内容は、1クール目の国家試験対策ノート作成で学習済みのものもありますが、知らない項目も所々あります。
トピックスがあったら、この「ごまごま保健室だより」にも掲載していきたいと思っています。

食生活指針と食事バランス

現在の食生活は、栄養の偏りや不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加、過度な痩身志向などの問題が指摘されています。
また海外からの輸入食品に依存しているという点や、相次ぐ値上げ、新たな食の安全性確保・・など様々な課題が山積しています。
令和3年3月に決定された食育推進計画(第4次)では、①生涯を通じた心身の健康を支える食育の推進、②持続可能な食を支える食育の推進、③「新たな日常」やデジタル化に対応した食育の推進の3つの重点課題が定められています。

食生活指針ー平成28(2016)年6月

  • 食事を楽しみましょう。
  • 1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを。
  • 適度な運動とバランスのよい食事で、適正体重の維持を。
  • 主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
  • ごはんなどの穀類をしっかりと。
  • 野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて。
  • 食塩は控えめに、脂肪は質と量を考えて。
  • 日本の食文化や地域の産物を活かし、郷土の味の継承を。
  • 食料資源を大切に、無駄や廃棄の少ない食生活を。
  • 「食」に関する理解を深め、食生活を見直しましょう。

以上のように健康的な食生活を送るための指針が掲げられていますが、実践できるところから始められれば良いですね。
少子高齢社会が進む日本では、「人生100年時代」の実現に向けて厚生労働省が食環境づくりのために動き始めています。
令和4年3月には「健康的で持続可能な食環境づくりのための戦略的イニシアチブ」を立ち上げ、全世代や生涯の長きにわたり関係する栄養課題をまとめて取り組みを開始しています。そこでは食塩の過剰摂取や経済格差に伴う栄養格差、若年女性のやせに関して取り組むことを軸にしています。

お金がない時、安価な加工食品に頼ってしまうことがありますね。
インスタントラーメンばかりを継続して食べていると、食塩の過剰摂取や栄養のアンバランスなどが気になります。いつでも新鮮な野菜などを調理でき、たっぷりと摂取できる環境が望ましいということだと思います。産地直売している食品コーナーでお買い物ができる安定した経済力も必要ということでしょうね。

健康づくりのための身体活動基準2013

運動不足を解消するとどんなことが期待できるか?
体重減少とともに血圧や血糖値が改善されることが多いと思います。中でもジョギングや水泳、エアロビクスなどの有酸素運動は効果的だと知られています。また、がんやロコモティブシンドローム、フレイルや認知症の予防にも効果があるといわれています。
でも時間とお金の確保が必要なものもありますね。自宅で安価で楽しめるように工夫することも大事だと思います。また身体に負荷をかけることが苦手な人も多く「こんなに頑張れない」という場合があると思います。
今はウォーキングが推奨されていますね。

身体活動基準と身体活動指針

今より毎日10分多く体を動かす+10(プラステン)が推奨されています。

身体活動とは?
身体活動=運動(体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施する活動)+生活活動(日常生活を営む上で必要な労働や家事に伴う活動)のことをいいます。

メッツとは?
METs:metabolic equivalentsのことで、身体活動の強さが安静時の何倍に相当するかを表す単位です。
これに時間をかけると身体活動の量を表すエクササイズ(Ex)となります。

身体活動と運動の基準(18〜64歳)

  • 3メッツ以上の身体活動(歩行またはそれと同等以上)を毎日60分行う。
    *ウォーキングだと1日8,000歩が目安*
  • 3メッツ以上の運動(息が弾み汗をかく程度)を毎週60分行う。

自宅でもテレビゲームやYouTubeなどを活用するとできるかもしれない!!
運動には抗うつ作用があるので、こころの健康にも効果があります。

健康づくりのための休養指針

  1. 生活リズムを
    早めに気付こう、自分のストレス
    睡眠は気持ちよい目覚めがバロメーター
    入浴で、からだもこころもリフレッシュ
    旅に出かけて、こころの切り換えを
    休養と仕事のバランスで能率アップと過労防止
  2. ゆとりの時間でみのりある休養を
    1日30分、自分の時間をみつけよう
    活かそう休暇を、真の休養を
    ゆとりの中に、楽しみや生きがいを
  3. 生活の中にオアシスを
    身近な中にもいこいの大切さ
    食事空間にもバラエティを
    自然とのふれあいで感じよう、健康の息吹を
  4. 出会いときずなで豊かな人生を
    見出そう、楽しく無理のない社会参加
    きずなの中ではぐくむ、クリエイティブ・ライフ

在職中はなかなかできなかったことも今では、時間を見つけて適度に実践できるようになったと思います。例えば休日でも起床時間は同じです。これは雑種犬gomaちゃんが待っていると思うからです。夏は早朝からお散歩に出かけるので、生活リズムが乱れることはありません。
今はまだコロナ禍で旅行に行きづらくなっているかたも多いと思います。
リフレッシュするにはとても効果的な方法ですね。
私の場合は、gomaちゃんがいるので、旅に出かけたいという欲求は半減しています。
一緒に出かけられるクランピング施設などについては少し興味がありますが、毎日がけっこう楽しいので満足している感じです。
犬は言葉が話せませんが、たいていのことは対話ができるので面白いです。
ノンバーバルコミュニケーションが生活の随所に光っています。

 

健康づくりのための睡眠指針2014

  • 第1条:良い睡眠で、からだもこころも健康に
  • 第2条:適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを
  • 第3条:良い睡眠は、生活習慣予防につながります
  • 第4条:睡眠による休養感は、こころの健康に重要です
  • 第5条:年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を
  • 第6条:よい睡眠のためには、環境づくりも重要です
  • 第7条:若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ
  • 第8条:勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を
  • 第9条:熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠
  • 第10条:眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない
  • 第11条:いつもと違う睡眠には、要注意
  • 第12条:眠れない、その苦しみをかかえず、専門家に相談

令和元年の国民健康・栄養調査によると、1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満の割合が最も高く、男性32.7%、女性36.5%で、次いで5時間以上6時間未満が男性29.0%、女性31.5%という結果だそうです。
日本人の睡眠時間は世界から見ても短時間であるといわれています。
最近では「睡眠負債」という言葉もよく聞かれます。

【 文 献 】

一般財団法人 構成労働統計協会「国民衛生の動向・厚生の指標 増刊・第69巻9号 通巻第1081号」、2022、P90-93

荒井 直子 他 編:「公衆衛生看護学.jp  第5版 データ更新版」、インターメディカル、2022、P274-277

医療情報研究所 編:「公衆衛生がみえる 2022-2023」、メディックメディア、2022、P188

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