ごまごま保健室だより 第4号「わが国の保健医療はどうなってる?」

目次

hokenCから

今回は日本が現在おかれている社会的現状についてまとめてみたいと思います。
普段はニュースや新聞で見聞きする内容を自分なりに調べて少しずつ理解するように努めました。
本来なら細かな統計資料(数値)の詳細を分析すべきかもしれませんが、なにせ専門外なので、保健医療に関わる動向の把握のみにとどめています。
自分達の健康を維持するためには、社会的な安定が欠かせません。
そのためにどのような方針が立てられ、予算が配分されているのかも知っておきたいものです。hokenCとしては「日本で子どもを産み育てるのは本当に大変、お金も手間もかかるし、なんとかならないかな〜」と30年前から言い続けています。
当時と比較し改善された項目もあるかもしれませんが、少子化に歯止めがかかっていません。
子どもがいて苦労する部分もあると思いますが、子育ての面白さが想像以上にいっぱいあるのも事実です。
子どもが欲しい人には、それが叶う環境が用意されることを今でも切望しています。

 

日本は今、どんな国?

日本の公衆衛生は明治以降、感染症の対策に力を入れてきましたが、現在では新型インフルエンザやエボラ出血熱、新型コロナウイルス感染症など、国際的な疾患に対する危機管理が求められるようになってきています。

少子高齢・人口減少社会

社会的な背景については、少子高齢化が他の国と比較して急速に進んでいるのが今の日本です。
令和2年の平均寿命(0歳からの平均余命)が、男性81.56歳、女性87.71歳と世界でトップになっています。その反面、団塊ジュニアの世代が産まれて以降、出生率が世界でも最も低い国となっています。令和3年の合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に産む平均子ども数)は1.30ということで、昭和45年の2.13と比較し減少しています。
令和3年の総人口は1億2,550万人で前年から64万人減少しています。その中でも65歳以上の高齢者の割合は28.9%で、昭和45年の7.1%と比較し約4倍に激増しています。
社会保障という観点からは、現役世代が何人で1人の高齢者を支えるかという割合が、令和3年で「2.1人で1人」という状態になっています。
これからの日本は課題が山積しているということが、少子高齢社会という点からも実感できる結果ですね。

生活の状況

令和元年6月の日本の世帯数は、5178.5万世帯で、1世帯の平均世帯人員は2.39人となっています。中でも最も多いのが単独世帯(ひとり暮らしの世帯)で28.8%という結果でした。次いで夫婦と未婚の子のみの世帯が28.4%という結果でした(国民生活基礎調査による)。

令和3年平均の労働力人口は6,860万人で、男性3,803万人、女性3,057万人となっています。
雇用形態については、非正規職員・従業員の割合が増加傾向にあり、平成5年2月では20.8%だったものが、令和4年3月には36.6%となっています。つまり働く人の3人に1人以上の割合で非正規雇用という結果です。日本の若者を含めて就業者の多くが不安定な雇用で就労しているということになります。またこのコロナ禍でやむなく解雇されるケースも多いのではないでしょうか。

健康面ではどうでしょうか?
日常生活に制限のない期間の平均である「健康寿命」をみると、令和元年で男性が72.68歳、女性が75.38歳という結果でした。この点では年々延伸を続けていて、体力テストの結果についても上昇しているということです。

経済の状況

GDP(実質国内総支出)は前年度比で2.1%増と、4.5%減だった令和2年度と比べ回復が認められていました。しかし四半期毎の比率を見ると増減を繰り返し、不安定な経済状況が続いています。まだまだ本格的な回復には至ってはいないといえます。

国の予算は、一般会計予算と、特別会計予算、政府関係機関予算があり、一般に「国の予算」といわれているのは一般会計予算のことです。
令和4年度の予算は当初、107.6兆円となっていましたが、「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」として5月に、補正予算2.7兆円が編成されています。
ガソリンも食品も価格が高騰したままで不安定な状況が続いていますね。

国の歳入については、税収等が70.7兆円で予算をクリアできていない金額です。
足らない部分は公債金(国債発行額)36.9兆円が追加されています。
令和4年度の公債依存度は34.3%となっており、令和2年度と3年度については、新型コロナウイルス感染症対策として補正予算が組まれて、2年度が73.5%、3年度が46.0%と大幅な公債依存度となっていました。
健康危機管理のための対策には、本当に多額なお金が必要になってくるのですね。

国の財政状況については、基礎的財政収支対象経費(プライマリーバランス:PB)が用いられて税収等と国債費を除いた歳出合計額を算出しています。
令和4年度はPB△13.0兆円で、やはりマイナスの状況になっています。中でも最も歳出が多いのが社会保障関係費で歳出の33.7%を占めています。

日本の社会保障はどうなってる?

社会保障は社会的セーフティネット

社会保障は社会的安全装置ともいわれ、生活の安定・向上、所得再分配機能、経済安定機能を目的に公的責任として行われる保障のことです。
対象の範囲としては、医療や年金、介護、雇用保険、労災保険、生活保護、社会福祉などが含まれています。

令和元年度の社会保障の財源(132.4兆円)は、「社会保険料」が55.9%、「公債負担」が39.2%、「他の収入」が4.9%でした。
社会支出については、国民1人当たりでみると101.4万円になっているということです。

政府の社会保障政策

社会支出を政策分野別にみてみると「保健」が41.5%で最も多く、次いで「高齢」37.9%、「家族」7.6%、「遺族」5.1%、「障害、業務災害、傷病」4.9%、「他の政策分野」1.4%、「失業」0.7%、「積極的労働市場政策」0.6%、「住宅」0.5%の順になっています。
日本は「高齢」の割合が他の先進国よりも高い一方で、現役世代への支出が中心の「家族」や「失業」政策への支出が低くなっているのが現状です。

社会保障関係の政策としては、全世代型社会保障構築会議が令和4年5月に開催され、以下の内容を公表しています。

  1. 妊娠・出産・育児を通じて切れ目のない支援が包括的に提供される一元的な体制・制度の構築
    こども家庭庁創設を含む子ども・子育て支援の強化
  2. 勤労者皆保険の実現
    女性就労の制約となっている制度の見直し
  3. 家庭における介護負担軽減
  4. 地域共生社会づくり

その他、規制改革推進会議答申では、医療・介護分野が重点分野とされ、オンライン診療や、コロナ対応として医療機関の整備やワクチン接種、治療薬確保の推進などを提言しています。

次号では新型コロナウイルス感染症の経緯を振り返って、日本の感染症危機に対する動きについて勉強してみたいと思います。

【 文 献 】

一般財団法人 構成労働統計協会「国民衛生の動向・厚生の指標 増刊・第69巻9号 通巻第1081号」、2022、P 13-19

荒井 直子 他 編:「公衆衛生看護学.jp  第5版 データ更新版」、インターメディカル、2022、P 48-50

医療情報研究所 編:「公衆衛生がみえる 2022-2023」、メディックメディア、2022、P152-154

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