hokenCから
今回は「公衆衛生看護方法論Ⅱ(組織・集団・地域支援方法論)」について過去問チャレンジをしました。この領域は保健師活動の方向性が示されていて「あなたならどう動く?」と問われているような感覚でした。
私(hokenC)としては、現場の事業内容を思い出したりしながら解答していったのですが、細かな用語の理解については不確かな箇所がありましたので、今回もノートを読み返し再学習しました。
方法論Ⅱについては状況設定問題等の出題もあり、国試の中でも大切な科目と考えられます。
現役の保健師学生さんであれば、講義で使用されたテキストを、もう一度読み返してもらえると問題の正解にたどり着けそうな感じもします。
保健師の具体的な活動内容をイメージするには(個人的な意見ではありますが)、インターメディカルの「公衆衛生看護学.jp 第5版 データ更新版(2022)」がよかったな〜と感じています。
この本は数ヶ月前に一気に読み終えていたのですが、わからないことがあれば辞書がわりにもなって助かっています。
1〜2冊、お気に入りの本があれば国試対策や現場のお仕事の良いお供になってくれます。
実はPC入力しながら、NHKのニュースをミュートにして観ています。
日本の各地から台風や大雨、竜巻などの被害が報告されています。
明日は私の居住地も台風がかなり接近する見込みになっています。
地域の状況を確認しながら適切に対処していかなくてはならないと覚悟をしたところです。
皆様も早めの対応や避難で安全に過ごしていただきたいと思っています。
この「ごまごまプレイス」も少しの間、お休みをさせて頂かなくてはならないかも知れません。
よろしくお願いいたします。
2023年版 医学書院 保健師国家試験問題集」 P 64-129
今回は「公衆衛生看護方法論Ⅱ(地域組織・地域への支援・事業化と施策化)」について過去問題と予想問題、状況設定問題を解いてみました。項目は以下の通りです。
地域診断における情報分析、コミュニティ-アズ-パートナーモデル、地域診断、健康課題の優先度、地区把握・地域診断、人口静態のアセスメント、地域アセスメント、分析疫学、地区活動、地域住民のエンパワメント、委員公募の目的、ソーシャルキャピタル、市民と行政とのパートナーシップ、地域保健活動計画の立案、市町村保健師が行う地区活動の展開、グループの社会変容機能、コミュニティ・エンパワメント、住民組織、自主グループの支援、地域組織への支援、地域住民が支え助け合える関係づくり、子育て支援グループへの支援、健康推進員の主体性を高める支援、介護保険計画担当保健師の活動、特定保健指導の事業評価、新たな事業の計画・実施、事業の評価の種類とその指標、地域保健計画の策定方法、住民参加を促す方法、市町村における保健事業計画の策定、減塩料理教室のプロセス評価、減塩教室実施後のアウトカム評価、アウトカム評価のための指標、保健計画(保健事業)の評価指標、健康増進計画審議会、地域ケアシステムの発展過程、難病患者の家族会の支援のための会議、地域ケア会議、地域における関係機関の連携、地域ケアシステムの構築
(以下、状況設定問題)
地域医療構想、地域保健活動、情報の入手、肺がん健診の受診状況、健康課題の特定と保健活動、介護予防教室のための情報収集、独居高齢者への支援、育児サロンにおける地区担当保健師の保健活動、健康増進計画に基づく保健活動、保育所との連携システムの構築、母子保健計画の策定、健康増進計画におけるメンタルヘルス対策、発達障害児支援事業、地域組織の組織化から自立まで、育児支援事業、生活習慣病の予防対策のための事業計画、自殺対策事業、特定健康診査と地域保健活動、地域ケア会議 等でした。
保健師国家試験対策ノート(7月29日・30日分)を復習
地域診断(地域アセスメント):科学的根拠のある診断が大切
地域診断とは、個人・家族、集団を含む地域全体を対象としている。
地域の観察や住民との話し合い、既存資料や実態調査から情報収集する。
地域住民の健康や生活を把握しアセスメントすることで、健康とQOLの向上を目指す。
〈地域診断のサイクル〉
- 情報収集
- アセスメント
- 計画
- 実施
- モニタリング・評価
- 修正
1〜6のサイクルをくり返し、よりよい活動へと繋げる。
明らかになった健康課題は、具体的な対策や活動方法を見出し施策化する。
〈地域アセスメント項目〉
- 地理的特徴、気象条件、学校区や集落単位の特徴、道路や交通事情、通信・ITの整備状況、物理的環境(水・土地・空気)、住宅環境、人口構成、人口動態、非公式なグループ、公式なグループ、人とのつながり、サービスの生産・物流・消費、転入者への受容度、規範維持と管理、社会変化への対応、地域の相互扶助等
- 医学的統計データ、疾病の罹患率・死亡率、疾病の危険因子、地域の安全、住民の精神衛生、失業率や就業率、救急医療を含む医療保健福祉施設、医療保健福祉サービス団体・マンパワー、社会資源の利用状況、教育レベル、社会経済的状況(生活保護家庭の割合等)、健康に関する価値観、健康意識、地域の意思決定と参加状態等
コミュニティ・アズ・パートナーモデル(アンダーソンとマクファーレンがシステム理論をもとに開発)
8つのサブシステム:① 物理的環境、② 教育、③ 安全と交通、④ 政治と行政、⑤ 保健医療と社会福祉サービス、⑥ コミュニケーション、⑦ 経済、⑧ レクリエーション
住民をコア(地域の人口や歴史)に総合的な情報収集を行う。
プリシード・プロシードモデルと(グリーンとロイターが提唱)
設定したテーマについて診断するプリシード(第1〜4)部分と、実施・評価を行うプロシード(第5〜8)部分から成り立っている。
プリシード
第1段階:社会アセスメント
第2段階:疫学アセスメント
第 3段階:教育/エコロジカル・アセスメント(準備要因・強化要因・実現要因)
第4段階:運営・政策アセスメントと介入調整
プロシード
第5段階:実施
第6段階:プロセス評価(目的・目標の達成に向けた活動状況を評価する段階)
第7段階:影響評価
第8段階:成果評価
情報収集
1.既存資料
統計資料、法的届出資料、調査資料
(人口動態・人口静態統計、診療報酬明細書、乳幼児健康診査の問診票等)
経年的推移を見ること。
人口規模同程度の他地域のデータや全国データ等を比較し分析すること。
量的データだけでなく、住民から得られた主観的情報(質的データ)も活用すること。
⒉地域保健活動からの情報
家庭訪問、健康相談、健康教育などからの情報
地域の風習や文化、価値観なども把握する。
3.地区踏査(地区視診)
実際に地域に出向き、住民の生活の様子や、住宅、道路、公園・・・などの環境を観察し情報収集する。
地区踏査はくり返し行い、データを蓄積していく。
〈地区踏査の観察ポイント〉
住環境、公共的な場所、人が集まる場所の状態、地域住民がよく利用するサービス提供施設、街路での人々、貧困地域等の有無、外国人の有無、宗教、健康に関する情報、政治・政党、メディア等
4.質問紙調査・インタビュー
実施前に説明(目的・対象者・方法・倫理的配慮の内容等)
フォーカス・グループ・インタビューとは、少人数の座談会形式で行うインタビュー。
参加者(4〜12名程度)には自由に意見交換してもらい質的情報を把握する。
共通ニーズを把握できるメリットもあるが、メンバーの選定によってはバイアスがかかる可能性もある。
地区活動
保健師が行う一定地域における地域づくり活動をいう。
(家庭訪問、健康相談、健康教育、地区組織の育成、関係機関との連携等)
住民登録の有無にかかわらず、地区に居住するすべての者が対象。
ソーシャルキャピタルの醸成を図る(自助・共助を支援)。
コミュニティ・エンパワメント:地域住民や地域組織が互いに対等な立場で話し合う中、コミュニティ全体の問題解決能力が育まれ、相互支援、主体的な施策へ参加するなどの変化が生じるプロセス。
意欲と自信、関心が高まる。
相互支援が活発になりリーダーが育成される。
活動の計画・実施・評価
事業計画は総合計画や既存の事業などと整合性を図り策定する。
自治体の計画は、基本構想→基本計画→実施計画→各事業計画で構成。
計画策定には住民と話し合う場を設ける。
達成可能な目標を設定し、費用対効果を考慮し財政の見通しを立てる。
参加率向上のため開催時期や場所を工夫する。
行政の計画策定には専門的立場から調査・審議する機関(審議会や調査会)がある。
(合議制にて運営されるが、諮問に対する答申は法的拘束力を持たない)
計画策定過程のポイント
- 優先順位をつける(重大性・緊急性の高い課題から)(公共性・費用対効果にも着目)
- 達成可能な目標を設定する
- 目標を数値化する
- ずれを予測し余裕をみて計画する
- 長期的な視点を持ちつつ、短期的な目標を段階的に進めていく
- 実施可能量を明確にする
- 人的資源、物資、経費を確保する
- 評価計画も同時策定する(公表方法も検討)
- 住民参加で進める
- 地域の問題点や既存の事業・施策との整合性を図り、活動を調整する
パブリックコメントとは:意見公募手続のこと(関連資料等を事前に提示し、意見を募集する)
アカウンタビリティとは:説明責任のこと(住民に対して情報公開と説明責任を果たす)
アウトソーシングとは:事業の外部委託のこと(定期的に事業者の評価を行い、事業の質を確保する)
地域保健
地域保健法:1994年「保健所法」を「地域保健法」に改正。
都道府県と市町村の役割を見直した。
〈地域保健対策の推進に関する基本指針〉
- 自助及び共助の支援の推進
- 住民の多様なニーズに対応したきめ細やかなサービスの提供
- 地域の特性をいかした保健と福祉の健康なまちづくり
- 医療、介護、福祉等の関連施策との連携強化
- 地域における健康危機管理体制の確保
- 科学的根拠に基づいた地域保健の促進
- 国民の健康づくりの推進
- 快適で安心できる生活環境の確保
〈ソーシャル・キャピタルとは〉
人々の協調行動を活発にすることによって、地域における社会問題の解決能力を高めることのできる「信頼」「規範」「ネットワーク」といった社会組織の特徴を指す。
保健師の活動
(保健師とは保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とするもの)
保健師の保健活動の基本的な方向性
- 地域診断に基づくPDCAサイクルの実施
- 個別課題から地域課題への視点及び活動の展開
- 予防的介入の重視
- 地区活動に立脚した活動の強化
- 地区担当制の推進
- 地域特性に応じた健康なまちづくりの推進
- 部署横断的な保健活動の連携及び協働
- 地域のケアシステムの構築
- 各種保健医療福祉計画の策定及び実施
- 人材育成
保健所(470ヶ所)と市町村保健センター(2,457カ所)*2021年4月1日現在
保健所:都道府県、保健所政令市、特別区(東京23区)に設置
- 医師、獣医師、薬剤師、保健師などの専門職員
- 疾病の予防、健康増進、環境衛生などの公衆衛生活動の中心的機関、健康危機管理の拠点
- 広域的・専門的サービス(精神、難病、結核・感染症、小児慢性特定疾病)
- 保健師は地区管理やコーディネート、教育・研修などを合わせた企画調整に関する活動が多い。
市町村保健センター:市町村が設置(設置義務はない)
- 保健師(中心的役割)、看護師、薬剤師、栄養士など
- 地域住民に身近な対人サービスを総合的に行う拠点
- 地域的・一般的サービス(乳幼児健診、予防接種、がん検診、健康相談、健康診査、保健指導、介護事業、家庭訪問)
保健師が行う事業の進行管理・評価
事業の進行管理として、予算の執行状況や事業の参加人数、目標の達成状況などを把握する。
計画を見直す際は、明らかになった健康課題をまとめ、根拠となるデータをもとに方向性を示す。
事業評価では企画し、実施された内容が健康状態の変化や活動の改善につながったかどうかを明確にする(有用性や価値)。
ストラクチャー評価:事業を実施するための仕組みや体制を評価(マンパワー、予算、会場等)
プロセス評価:手順や実施過程、活動状況の妥当性を評価(参加者の募集方法、実施内容等)
アウトプット評価:参加状況などから生じた結果を評価(数や量)
アウトカム評価:目的を達成したかどうかの最終的な成果を判断し評価(成果評価)
地方自治体の計画策定と予算
自治体の長(知事または市町村長)が予算案を編成し、3月末までに議会の議決を経なければならない。
- 一般会計:4月1日〜翌年3月31日の歳入・歳出を包括的に経理する会計(単一予算主義)
- 特別会計:特定の事業(介護保険、国民健康保険、水道事業等)を行うための会計
- 補正予算:災害対応など予算調整後の事由により、一般会計で予算化した事業に修正が必要になった場合に設定
- 暫定会計:予算が会計年度の開始前(3月31日)までに成立しない場合に、短期的に組まれる予算(本予算が成立したら、その中に組み込まれる)
〈予算の原則〉
- 予算事前議決の原則
- 予算公開の原則
- 総計予算主義の原則
- 単一予算主義の原則
- 会計年度独立の原則
〈予算編成と執行のプロセス〉
- 今年度の事業執行
- 事業の決算と評価
- 次年度の事業計画の作成
- 予算計画の作成
- 予算計画の検討と決定
- 予算の査定
- 議会への予算案提出
- 議会の審議
- 議会の議決(予算成立)
- 予算執行
- 決算報告
保健師は各種保健計画との整合性を重視し、事業の実施状況等の資料を用いて事業の必要性を説明する。予算要求書には事業計画書を添付する。
地域組織活動:住民が主体的に健康課題の解決に向けて取り組む
- 地縁組織(町内会、自治会、子ども会、婦人会、青年団等)
- 行政委託型・委員型組織(母子保健推進員、民生委員、児童委員、食生活改善推進員、健康推進員等)
- 当事者組織(患者会、断酒会、介護者の会、家族会等)
- その他(ボランティア組織、特定非営利活動法人NPO 等)
地区組織活動に関して保健師は調整役であり、住民自らが課題解決に向けて活動できるように支援する。
必要に応じて情報提供や助言(スーパーバイズ)する。
地域組織のネットワーク会議を活用する。
民生委員とは:根拠法令は民生委員法
(都道府県知事の推薦を受けて厚生労働大臣に委託された者)
日本独自のボランティアで児童委員(児童福祉法)を兼ねる。給与の支給はない。
民生委員は、高齢者や障害者、子どもなどに関する相談や支援などの幅広い活動をしている。
地区の健康課題や住民の生活実態に関する情報を把握していることが多い。
地域ケアシステム
ケアを必要とする地域の人々の生活を支えるため、フォーマルなサービスとインフォーマルなサービスを組み合わせて、対象者に最も適したサービスを提供するシステム。
(フォーマルなサービス:医療・介護保険制度、特定医療費の支給等)
(インフォーマルなサービス:NPO法人の活動、地域ボランティア活動等)
- 初期:健康課題・ニーズに把握、既存サービスの連携・調整
- 中期:新規サービスの組織化、連絡会議開催、予算の確保
- 充実期:すべての関係機関のネットワーク化(定期会議)、サービス拡充
保健師は不足しているサービスの開発を行う。
地域ケアシステムの構築を目的とした会議の参加者には、地域住民や関係機関のメンバーが含まれる。
関係者間の連携会議では、各機関の取り組みや活動状況、地域の統計データ等についても情報共有を行い、地域の現状や課題を把握する(定期的に関係者会議を開催)
文献
標準保健師講座』編集室:「2023年版 医学書院 保健師国家試験問題集」、医学書院、2022、P 64-129
医療情報科学研究所:「クエスチョン・バンク 保健師国家試験問題解説 2023 第15版」メディックメディア、2022
一般財団法人 構成労働統計協会「国民衛生の動向・厚生の指標 増刊・第69巻9号 通巻第1081号」、2022
医療情報科学研究所 編:「保健師国家試験のためのレビューブック 2023 第23版」、メディックメディア、2022、P 48-66
医療情報研究所 編:「公衆衛生がみえる 2022-2023」、メディックメディア、2022
荒井 直子 他 編:「公衆衛生看護学.jp 第5版 データ更新版」、インターメディカル、2022、P103-123
車谷典男・松本泉美 編:「疫学・保健統計ー看護師・保健師・管理栄養士を目指すー」健帛社、2016
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