児童虐待:心理師・保健師・看護師を目指す人のための自習室

hokenC

今回から心理や看護の領域で国家試験受験を目指す人のための学習を始めます。過去問の出題傾向をざっくり見てみると「児童虐待」の問題が毎年必ず出題されているようです。

goma

これって必須問題なのかな〜

子どもの虐待に関しては現場で、心理・保健・看護・福祉・司法・・等、多くの専門職が関わって対応をしています。このページでは「児童虐待」の基礎的な知識と見守り・支援の方向性について理解していくことにします。

目次

「公認心理師試験対策標準テキスト’22〜’23年版」 P333-339

身体的虐待:外傷が生じるような暴行、あるいは生じるおそれのある暴行を加えること

心理的虐待:著しい暴言、あるいは著しい拒絶的な対応その他著しい心理的外傷を与える言動を行うこと
(目の前でDVを見せて苦痛を与えることも含む)

ネグレクト:衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置等養護を著しく怠ること

性的虐待:わいせつな行為をすること、あるいはわいせつな行為をさせること
(児童にわいせつなもの・行為を見せることも含む)

都道府県知事は、児童虐待のおそれがあると認められた場合、児童の保護者に対して、児童を同伴して出頭することを求めたり、児童委員や児童の福祉に関する職員に立ち入り調査や質問をさせることができる。

児童相談所長は、児童の安全確認のために、必要がある場合は警察署長に援助を求めることができる。

心理師

児童養護施設では被虐待児対策として心理療法が導入されています。

児童虐待の通告に関しては、刑法の秘密漏示罪の規定その他守秘義務に関する法律の規定において遵守の妨げにはなりません。国民にも通告することが求められています。

保健師

児童虐待のリスク要因には、望まない妊娠や出産、若年の妊娠・出産、保護者の精神障害や知的障害、アルコールや薬物依存などがあります。
現場では妊娠届の遅さや母子健康手帳の未交付、新生児訪問や乳幼児健康診査時の様子に留意しながら対応をしています。

看護師

子ども側のリスク要因としては、乳児、未熟児、障害児、育てにくさなどがあります。
低出生体重児の場合は誕生してから母子分離や長期の入院が必要になるケースが多いです。入院中から親子の心理面でのケアがとても大切です。

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経済的困窮や社会的孤立、未婚を含むひとり親家庭、離婚や再婚が繰り返される家庭、DVや夫婦の不和、保護者の被虐待経験・・などもリスク要因になりそうですね。

「国民衛生の動向 2022/2023」 P249-250

平成12年に「児童虐待の防止等に関する法律」が成立して、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、現に児童を監護するもの)が行う、①身体的虐待、②性的虐待、③ネグレクト、④心理的虐待の行為を児童虐待と定義している。

児童相談所に寄せられる児童虐待に関する相談への対応件数は?

平成12年度の1.8万件から令和2年度には20.5万件と大幅に増加
「心理的虐待」が12.1万件(59.2%)と半分以上を占めている

令和2年の内容別相談件数は、身体的虐待が50,035件、ネグレクトが31,430件、心理的虐待が121,334件、性的虐待が2,245件

主たる虐待者は?

「実母」が9.7万件(47.4%)、次いで「実父」が8.5万件(41.3%)となっている

*児童福祉法では、要保護児童を発見した者は、児童相談所または福祉事務所に通告しなければならない。
(通告義務、児童福祉法第25条、児童虐待防止法第6条)

*児童相談所は48時間以内に児童の状況を把握しなければならず、専門的な判断を要する場合には、児童相談所は48時間以内に児童の安全を確認することが運営のルールになっている。

*親子分離が必要な場合、児童相談所は付設される一時保護所や児童養護施設での児童の一時保護を行う。

*一時保護が親権者等の意に反する場合も、家庭裁判所の承認を得て入所などの措置をとることができる。
(期間は2年以内だが更新は可能)

虐待と思ったら ⇨ 対応ダイヤル 189(イチハヤク)

『子ども虐待防止 オレンジリボン運動 』のホームページはこちら

https://www.orangeribbon.jp/

文 献

一般財団法人 構成労働統計協会(2022)「国民衛生の動向・厚生の指標 増刊・第69巻9号 通巻第1081号」.
医療情報研究所 編(2022)「公衆衛生がみえる 2022-2023」メディックメディア.
IPSA心理学大学院予備校(2022)「公認心理師試験対策標準テキスト’22〜’23年版」秀和システム.
IPSA心理学大学院予備校(2022)「過去問5回分+実力養成用科目別練習問題 公認心理師試験対策 2022年版」秀和システム.
標準保健師講座 編集室(2022)「2023年版 医学書院 保健師国家試験問題集」医学書院.
医療情報科学研究所(2022)「クエスチョン・バンク 保健師国家試験問題解説 2023 第15版」メディックメディア.
医療情報科学研究所 編(2022)「保健師国家試験のためのレビューブック 2023 第23版」メディックメディア.
荒井 直子 他 編(2022)「公衆衛生看護学.jp  第5版 データ更新版」インターメディカル.
車谷典男・松本泉美 編(2016)「疫学・保健統計ー看護師・保健師・管理栄養士を目指すー」健帛社.

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