
今回は「産業保健」について学習しました。私が最初に就職したのがこの領域だったので感慨深いです。ストレスチェックなどは心理師や保健師、看護師にとってますます大切な制度になってきています。



公認心理師の資格試験では必ずといってよいほど重要視されている分野です。EAPの実施など心理職に対するニーズが高まってきていると感じています。



精神科で治療を受ける患者さんが増加する中で、看護師として職場復帰する方々を見守っています。
また私たちの仕事上、不規則勤務になることも多いので自身のメンタルヘルスについても留意し、お仕事を続けています。
「公認心理師試験対策標準テキスト’22〜’23年版」から


産業・組織における問題と心理支援
50名以上の事業場には、産業医を選任することが義務になっていますが、カウンセラーを配置するEAP(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)を取り入れる企業があります。
EAPには外部EAPと内部EAPがありますが、内部では社内でカウンセリングを受けることができる体制が整っています。
過労死について:過労死等防止対策推進法第2条より
- 業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡
- 業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
- 死亡には至らないが、これからの脳血管疾患・心臓疾患・精神障害
労災認定される際には、異常な出来事に遭遇したことや過重業務に就労したことによって判断されます。
過重労働とは
①不規則、②長時間拘束、③出張が多い、④交代制、⑤深夜、⑥作業環境(温度・騒音・時差)、⑦精神的緊張を伴うといった要因から評価されます。
ハラスメントとは?
ハラスメントを受けることで、うつ病、希死念慮、睡眠障害、心疾患等を引き起こす可能性があります。
セクシャルハラスメント:男女雇用機会均等法で事業主が講ずべき措置を定めています。
労働者の意に反する「性的な言動」に対する労働者の対応により労働条件に不利益を受けたりすること。
パワーハラスメント:刑法や民法を根拠とした判例があります。
職務上の地位や人間関係などの優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的な苦痛を与えること。
マタニティハラスメント:男女雇用機会均等法、育児・介護休業法が根拠になっています。
労働者が妊娠・出産・育休の申し出・取得等をした事を理由として、事業主が解雇したり、上司・同僚からの言動により、休暇、育休等の申し出・取得した者の就労環境が害されること。


ストレスチェック制度




2006(平成18)年に「労働者の心の健康の保持増進のための指針(メンタルヘルス指針)」が公表され、事業場におけるメンタルヘルスケアが実施されていました。
しかし精神障害を発病して労災認定される労働者が増加。
2014(平成26)年に「労働安全衛生法の一部を改正する法律」が施行されてストレスチェック制度が導入されました。
厚生労働省 「ストレスチェック制度 導入マニュアル」はこちら
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150709-1.pdf
ストレスチェックは57項目で構成された「職業性ストレス簡易調査票」の利用が推奨されています。
高ストレス者には医師の面接指導を勧めることになっています。
4つのケアとは
- セルフケア:ストレスへの気づき、ストレスへの対処法などを理解する
- ラインケア:職場環境の改善、労働者からの相談対応、職場復帰における支援など
- 事業場内産業保健スタッフ等によるケア:社内のスタッフ(産業医や保健師等)が労働者や管理監督者に対する支援を実施する
- 事業場外資源によるケア:情報提供や助言を受けるなど、外部のサービスを活用したり、ネットワークの形成をしたりして職場復帰に向けた支援を行うこと(例としてEAPなどがある)
ストレスチェック制度は事業者の責任で実施されますが、従業員に不利益な取り扱いを行うことは一切禁止されています。
事業者はストレスチェックの結果を閲覧することはできませんし、労働者の同意なく第三者に結果を開示することは法律違反になります。



ストレスチェックは医師や保健師、必要な研修を修了した公認心理師や看護師、精神保健福祉士などによって実施されています。
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)


働くすべての人が「仕事」と「仕事以外の生活」の調和をとり、その両立を充実させる働き方・生き方のことです。
仕事と子育て、介護との両立が難しいということで、なかなかバランスが取れていないのが現状です。
女性の妊娠中には
- 深夜勤務及び時間外勤務の制限
- 健康診査等のため有給
- 業務軽減等
- 休息、補食のための有給
- 通勤緩和のための有給 ・・・ などが利用できます
「治療と職業生活の両立等支援対策事業」について
労働安全衛生法では、事業者による労働者の健康確保対策に関する規定が定められており、健康診断の実施及び医師の意見を勘案し、就業上の措置を行うという義務が課せられています。
また日常生活面での指導や受診勧奨なども行う必要性があります。



病気で仕事を休んでいる人には、メンタルヘルス、がん、脳血管疾患・・・の人などいろんな人がいるそうです。
就労支援
リワークって何?
精神疾患等によって休業している従業員が復帰する際に支援する方針を厚生労働省がまとめています。
「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き〜メンタルヘルス対策における職場復帰支援〜」
*医療リワーク:医療機関で精神科治療を受けながら実施されます。
*職リハリワーク:障害者職業センターで支援プランに基づく支援が実施されます。
*職場リワーク:企業内やEAPなどで、企業が費用を負担し実施されます。


第1ステップ:病気休業開始および休業中のケア
第2ステップ:主治医による職場復帰可能の判断
第3ステップ:職場復帰の可否の判断および職場復帰支援プランの作成
第4ステップ:最終的な職場復帰の決定
第5ステップ:職場復帰後のフォローアップ
障害者の就労支援について
就労継続支援にはA型事業所とB型事業所があります。
A型の対象は:通常の事業所で雇用されることは困難だが、雇用契約に基づく就労が可能な者
B型の対象は:通常の事業所で雇用されることは困難で、雇用契約に基づく就労も困難な者
「産業保健」国試対策ノート 【アーカイブ】




一般財団法人 構成労働統計協会(2022)「国民衛生の動向・厚生の指標 増刊・第69巻9号 通巻第1081号」P319-331 .
医療情報研究所 編(2022)「公衆衛生がみえる 2022-2023」メディックメディア.
IPSA心理学大学院予備校(2022)「公認心理師試験対策標準テキスト’22〜’23年版」秀和システム P388-397 .
IPSA心理学大学院予備校(2022)「過去問5回分+実力養成用科目別練習問題 公認心理師試験対策 2022年版」秀和システム.
標準保健師講座 編集室(2022)「2023年版 医学書院 保健師国家試験問題集」医学書院.
医療情報科学研究所(2022)「クエスチョン・バンク 保健師国家試験問題解説 2023 第15版」メディックメディア.
医療情報科学研究所 編(2022)「保健師国家試験のためのレビューブック 2023 第23版」メディックメディア P204-226 .
荒井 直子 他 編(2022)「公衆衛生看護学.jp 第5版 データ更新版」インターメディカル.
車谷典男・松本泉美 編(2016)「疫学・保健統計ー看護師・保健師・管理栄養士を目指すー」健帛社.
下山 晴彦 編(2014)「誠心 心理学辞典(新版)」誠信書房.
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