
今回は発達障害についてまとめています。
発達障害については法律や診断基準の知識だけでなく、地域・学校などあらゆる場面で支援するための、具体的方法について理解していることが求められています。
おそらく「発達障害」は心理師も保健師も看護師も必須の知識になってきているのではないでしょうか。
国試の事例問題についても解けるようになりたいですね。
発達障害とは? 大人にもみられる器質的な障害です
広汎性発達障害、自閉症、自閉性障害、自閉スペクトラム症、自閉症スペクトラム障害、アスペルガー障害、アスペルガー症候群、高機能自閉症、レット障害、レット症候群、小児期崩壊性障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害といった形で、いろんな障害名があります。
発達障害とは連続性があるスペクトラムであるため、DSMの診断基準でも時代とともに呼び方が変化してきました。
原因は遺伝的な要素が大きいといわれていますが、確実に親から引き継がれるというものではありません。
親のしつけについては発達障害とは全く関係ないことがわかってきています。
DSM-5では発達障害を
神経発達症群/神経発達障害群というクラスターにまとめられ、知的能力障害群もその中に含まれることになりました。
また知的能力障害については行政上は、IQ(知能指数)で分類がなされています。
およそ55〜69:軽度
およそ40〜54:中度
およそ20〜39:重度
およそ19以下:最重度
IQについては指標として活用されていますが、学力やコミュニケーション、身辺の自立等の能力を具体的に把握した上で判断がなされています。


発達障害の定義
「発達障害者支援法」ではどう定義している?
「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義されています。
- 自閉症(広汎性発達障害):言葉の発達の遅れ、コミュニケーションの障害、対人関係・社会性の障害、パターン化した行動、こだわり 等
- アスペルガー症候群(広汎性発達障害):基本的には言語発達の遅れはない、コミュニケーションの障害、パターン化した行動、興味・関心の偏り、不器用さ 等
自閉スペクトラム症の診断基準
A.社会的コミュニケーション及び対人的相互反応の持続的な欠陥
B.行動、興味または活動の限定された反復的な様式
C.発達早期に発症
D.社会的、職業的等の重要な領域に障害を引き起こしている
E.知的能力障害や全般的発達遅延ではうまく説明されない
三つ組の障害
*社会性の欠如 :興味を他人と共有しない、仲間を作ることの難しさ・・等
*コミュニケーションの障害 :冗談が通じない、相手の気持ちを汲み取ることの難しさ・・等
*想像力及びそれに基づく行動の障害 :同じやり方、同じ形・色などに固執する・・等
- 学習障害(LD):読み書きや計算などの能力が、全体的な知的発達に比べて極端に苦手
読字、書字表出、数字の概念、計算、数学的推論などのうち一部の領域で、能力が学習上著しく低く、知的能力障害などでは説明できないもの。
- 注意欠陥多動性障害(ADHD):不注意、多動・多弁、衝動的な行動 等
不注意:注意が続けられない、不注意な間違い、物事を順序立てて行えない、すぐ気が散る、忘れっぽい 等
多動性・衝動性:落ち着きのなさ、不適切な状況で動き回る、しゃべりすぎる、待つことが困難、他人を妨害する 等





自閉症などの発達障害に対する療育プログラムには、応用行動分析(ABAプログラム)やTEACCHプログラム、社会技能訓練(SST)などがあります。
TEACCHプログラムに基づいた支援では、学習や遊びなどを行う場所を別々に設定し、子どもに合わせた環境を整え「構造化」します。
また、スケジュールや教材などは視覚的に工夫したものを事前に準備し活用します。
次第に子どもたちは視覚的な手がかりをもとにして活動や学習を進めることができるようになります。



hokenCも現場で、このTEACCHプログラムを応用しながら支援活動を行っていました。可能な範囲で子どもたちの好きなキャラクターなども導入し、楽しく実践できていたように思います。
発達障害者支援法:2005年4月に施行
2016年の改正では発達障害者を「発達障害及び社会的障壁により日常生活または社会生活に制限を受けるもの」と定義されています。
発達障害者支援施策(発達障害者支援法による)
*児童の発達障害の早期発見
*早期の発達支援
*保育
*教育(個別の教育支援計画・個別の指導計画の作成推進、いじめの防止)
*情報の共有の推進
*就労の支援
*地域での生活支援
*権利利益の擁護
*司法手続きにおける配慮
*発達障害者の家族等への支援
発達障害者支援センター:都道府県・指定都市が設置
- 相談支援:来所、訪問、電話など
- 発達支援:個別支援計画の作成・実施など
- 就労支援:就労に向けての相談など
- 研修:関係機関、民間団体などへの研修
- 普及啓発・研修



関係機関にはどんな所があるの?



児童相談所、知的障害者更生相談所、福祉事務所、保健所、医療機関、障害児入所施設、学校、保育所・幼稚園、公共職業安定所など、様々な機関が連携しながら発達障害者(児)を支援しています。
一般財団法人 構成労働統計協会(2022)「国民衛生の動向・厚生の指標 増刊・第69巻9号 通巻第1081号」 .
医療情報研究所 編(2022)「公衆衛生がみえる 2022-2023」メディックメディア P270.
IPSA心理学大学院予備校(2022)「公認心理師試験対策標準テキスト’22〜’23年版」秀和システム P478-484.
IPSA心理学大学院予備校(2022)「過去問5回分+実力養成用科目別練習問題 公認心理師試験対策 2022年版」秀和システム.
標準保健師講座 編集室(2022)「2023年版 医学書院 保健師国家試験問題集」医学書院.
医療情報科学研究所(2022)「クエスチョン・バンク 保健師国家試験問題解説 2023 第15版」メディックメディア.
医療情報科学研究所 編(2022)「保健師国家試験のためのレビューブック 2023 第23版」メディックメディア .
荒井 直子 他 編(2022)「公衆衛生看護学.jp 第5版 データ更新版」インターメディカル.
車谷典男・松本泉美 編(2016)「疫学・保健統計ー看護師・保健師・管理栄養士を目指すー」健帛社.
下山 晴彦 編(2014)「誠心 心理学辞典(新版)」誠信書房.
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