
今回は災害時の支援についてまとめました。心のケアについては新規に記事を作成し、保健や福祉の領域で基本とされる項目については、7月に公開したアーカイブ記事につなげて紹介をしています。



地域で活動する保健師にとっては、災害時の支援に関する知識と実践力は必須のものに変化してきています。災害医療については看護職だけでなく保健・医療・福祉・心理・教育・・など多くの専門職で共有しなくてはならないものになっています。



看護や心理、福祉の国家試験にも出てるみたい
被災者支援(災害時支援)
紛争や震災などの災害が発生した時は、生命の危険から逃れることやライフラインの復旧が何よりも優先されます。
例えばガレキの撤去などの作業は最低限度の生活を送るために必ず行わなければならない支援です。
被災直後は被災者の心に不安が生じたり、眠れなくなったりすることがあります(過覚醒状態による不眠)。
これらは病的な反応ではありませんが、成人よりも子どもの方がリスクが高いため、留意しながらケアを実施する必要性があります。


災害のあとのメンタルケア
災害時に被災者が抱える心理的負担は大きく、精神的な健康に悪影響を与えることがあります。
多くは一時的なもので自然に回復するものですが、うつ病やパニック発作、PTSDなどが深刻化することがあります。
PTSDとは?
心的外傷後ストレス障害(PTSD:post-traumatic stress disorder)のことで
- 大きな事件や事故などにより極度の心的外傷を受けた被災者に起こるストレス障害
- 多くは事件後6か月以内に発症する
- 3か月以内の発症を急性、3か月以後を慢性型という
できるだけ早い時期に援助者が被災者に接触して、心理的に不安定な人の支援を行うことが重要です。
災害初期の心理的応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド)を実施
心理支援者としてどう関わるべきかについてはアメリカ国立PTSDセンターと、アメリカ国立子どもトラウマティックストレス・ネットワークによって開発されたマニュアルがあります。
日本語翻訳版は兵庫県こころのケアセンターによって作成されています。
マニュアルはこちら
https://www.j-hits.org/_files/00106535/pfa_text.pdf


災害派遣精神医療チーム(DPAT:Disaster Psychiatric Assistance Team)
大規模な災害や大事故が発生した時は、多くの負傷者を救助することが重要です。
そのような時に派遣されるのが、災害派遣医療チーム(DMAT:Disaster Medical Assistance Team)で、DPATはこのチームをモデルにして創設されました。
DPATは自治体によって組織され、国立精神・神経医療研究センターにある「災害時こころのケア情報センター事業」による研修を受けた精神科医や看護師を含めた2〜5名で構成されています。
DPATの災害活動における3原則
Support:名脇役であれ。
主役は被災地の支援者であり、地域の支援者を支えるための活動を行う。
Share:積極的な情報共有。
災害対策本部や担当者、地域の支援者、その他の医療チームとの情報共有や連携を積極的に行う。
Self-sufficiency:自己完結型の活動。
被災地域の負担にならないよう自立した活動を行い、自らの健康管理・安全管理は自ら行う。


支援者に対するケア 出題される〜支援者自身が被災している場合も少なくありません〜
組織的取り組み(心理師として)
- 役割分担と業務ローテーションの明確化
- 支援者のストレスについて教育
- 住民の心理的反応について啓発
- 支援者の心身のチェックと相談体制
- 業務の価値付け
個人的取り組み
- 仲間同士の協力
- 仲間とのコミュニケーション
- 仕事にメリハリ





災害に関する基本知識は看護職にとって必須のものになってきています。
特に保健師の国試については、出題される比重が年々アップしてきているという印象です。
以下のアーカイブで再チェックをしていただくと良いかな〜と思います。
災害時の保健活動についてはアーカイブで確認をしてください






一般財団法人 構成労働統計協会(2022)「国民衛生の動向・厚生の指標 増刊・第69巻9号 通巻第1081号」 .
医療情報研究所 編(2022)「公衆衛生がみえる 2022-2023」メディックメディア P146-149 .
IPSA心理学大学院予備校(2022)「公認心理師試験対策標準テキスト’22〜’23年版」秀和システム P297-300 .
IPSA心理学大学院予備校(2022)「過去問5回分+実力養成用科目別練習問題 公認心理師試験対策 2022年版」秀和システム.
標準保健師講座 編集室(2022)「2023年版 医学書院 保健師国家試験問題集」医学書院.
医療情報科学研究所(2022)「クエスチョン・バンク 保健師国家試験問題解説 2023 第15版」メディックメディア.
医療情報科学研究所 編(2022)「保健師国家試験のためのレビューブック 2023 第23版」メディックメディア .
荒井 直子 他 編(2022)「公衆衛生看護学.jp 第5版 データ更新版」インターメディカル P431-450.
車谷典男・松本泉美 編(2016)「疫学・保健統計ー看護師・保健師・管理栄養士を目指すー」健帛社.
下山 晴彦 編(2014)「誠心 心理学辞典(新版)」誠信書房.
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