国試に出た「いじめ・不登校」問題:第5回 公認心理師国家試験問題から

hokenC

今回は7月の国試に出た「いじめ・不登校」の問題(4題)を解きながら学習を進めました。比較的ゆっくりと考えれば解答できる問題かな(?)という印象でしたが、「児童生徒の自殺」に関する問題も他に2題出題されていました。心理師にとってとても大事な領域なんだなと実感しました。

保健師

2018年(104回)の保健師国家試験でも不登校の問題(状況設定問題)が出題されています。養護教諭として保健室登校に関する理解と対応力が求められていると思います。国試前には一度必ず、過去問題を解いておいてください。

目次

第5回 公認心理師国家試験問題から「いじめ・不登校」問題抽出

不登校児童生徒への支援の在り方について(令和元年、文部科学省)の内容として、適切なものを2つ選べ。

① 学校に登校するという結果を最終的な目標として支援する。
② 学習内容の確実な定着のために、個別の教育支援計画を必ず作成する。
③ 組織的・計画的な支援に向けて、児童生徒理解・支援シートを活用する。
④ フリースクールなどの民間施設やNPO等との積極的な連携は、原則として控える。
⑤ 校長のリーダーシップの下、スクールカウンセラー等の専門スタッフも含めた組織的な支援体制を整える。

答えは③と⑤

学校におけるいじめへの対応として、適切なものを2つ選べ。

① 加害児童生徒に対し、成長支援の観点を持って対応する。
② 被害者、加害者、仲裁者及び傍観者といういじめの四層構造に基づいて事案を理解する。
③ 当事者の双方に心身の苦痛が確認された場合には、苦痛の程度がより重い側へのいじめとして対応する。
④ 保護者から重大な被害の訴えがあったが、その時点でいじめの結果ではないと考えられる場合は、重大事態とはみなさない。
⑤ いじめの情報が学校にもたらされた場合には、当該校に設置される学校いじめ対策組織を中心に情報収集や対応に当たる。

答えは①と⑤

いじめ防止対策推進及びいじめの防止等のための基本的な方針(平成29年改定、文部科学省)の内容として、誤っているものを1つ選べ。

① 学校いじめ対策組織に、スクールカウンセラーが参画する。
② 学校は、学校いじめ防止プログラムやいじめの早期発見・事案対処のマニュアルを策定する。
③ いじめの判断には、他の児童生徒からの行為で生じた被害者の心身の苦痛が客観的に認められる必要がある。
④ 教職員がいじめ問題に対して適切な対処ができるよう、スクールカウンセラー等の専門家を活用した校内研修を推進する。

答えは③

14歳の女子A、中学2年生。Aは、同級生からのいじめについて、同じ中学校に勤務しているスクールカウンセラーBに相談をしている。Aについて、教育相談コーディネーターの教師が中心となって支援チームの会議が開かれた。
支援チームの会議には、Bのほかに、Aの担任教師と学年主任、養護教諭、生徒指導主事及び管理職が参加した。会議ではAの支援や学校としての対応をどのように行うかが検討された。
Bの会議での対応として、不適切なものを1つ選べ。

① いじめに関する専門的な知見などを提供する。
② いじめの重大事態かどうかの判断を主導する。
③ クラスや学年などで行う心理教育の実施について検討する。
④ Aの具体的な支援策に関わる教職員研修の実施について検討する。
⑤ 守秘義務に配慮しながら、Aとの面接についての情報や見立てを提供する。

答えは②

goma

スクールカウンセラーの皆さんは学校でどんな活動をしているのかな〜

教育現場での心理支援

教育現場における心理支援ではスクールカウンセラー(SC)が活躍をしています。
2013(平成25)年度からは、いじめ対策等総合推進事業の一環としてSCの派遣が実施されています。
最近ではスクールソーシャルワーカー(SSW)が配置される自治体も増えてきました。

震災などの災害が起きた際にも、緊急派遣としてスクールカウンセラーが被災地に派遣されています。
今後さらに拡充していくと考えられているSCについては、多職種との協働や連携などを実践できるスキルが求められていると思われます。

スクールカウンセラーの活動について

  1. 心理教育的アセスメント
  2. 教師へのコンサルテーション
  3. 教職員対象の研修会開催 等
  4. 保護者向け講演会の開催 等
心理師

学校では相談室でのカウンセリングを実施するだけでなく、援助が必要な児童生徒のための支援計画立案に参画したり、研修会や講演会の講師も務めています。

学級崩壊・いじめ・学習不振について

学級崩壊とは、子どもたちが教室内を立ち歩いたり、教師の指導に従わなかったりするなど、集団教育の機能が成立していない学級の状態のことをいいます。

いじめの定義(文部科学省の定義)
「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」と定義しています。

*起こった場所は学校の内外を問いません。
*行為が「いじめ」に当たるかどうかの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとしています。

学業不振(アンダーアチーバー)とは、健康や性格、環境などに原因があって、学習の成果が知的水準から期待される学習目標に達しない状態のことをいいます。
(学業不振とは別に、知的障害とは判断されないが脳機能によるものを学習障害と呼んでいます)

スクールカウンセリングとチーム学校

チーム学校とは

スクールカウンセラーが教職員と一緒にチームを組む形で、児童生徒に関わって支援していくことが求められています。
またカウンセリングの対象が児童生徒だけではなく、保護者や教職員に対して行うことも必要です。
つまりスクールカウンセラーは、心理支援担当として個人プレーするのではなく、学校に関わる教職員を含めた一つのチームとして児童生徒、保護者の支援を実践していくことが望まれているということになります。

心理教育的援助サービス

一次的援助サービス
すべての児童生徒が対象。
多くの児童生徒が出会うであろう困難を予測した上で予防的援助を実施し、また必要なスキルアップのための開発的援助を行うこと。

二次的援助サービス
登校しぶりや学習意欲低下など、配慮を要する児童生徒が対象。
問題を初期の段階で発見し、大きくなるのを予防すること。

三次的援助サービス
特別に重大な援助ニーズを持つ特定の児童生徒が対象。
スクールカウンセラーや教師がチームを形成し、アセスメントを実施し個別プログラムを作成する。
また援助としてカウンセリングやコンサルテーションを実施すること。

心理師

チームを組んで援助を実践する場合、守秘義務の問題が生じます。
実際にはSCの状況判断能力が試されるのですが、集団守秘義務を適用して他の人に伝えることで、どのようなメリットやリスクがあるのか考えなくてはなりません。。
やはり児童生徒との信頼関係を失わないように最大限の配慮をしたい問題です。

看護師

看護師国家試験の「健康支援と社会保障制度」の中で、学校保健の領域が含まれています。基本的な項目を是非学んでおいてくださいね。

保健師国家試験対策「学校保健」 〜アーカイブ紹介〜

文 献

一般財団法人 構成労働統計協会(2022)「国民衛生の動向・厚生の指標 増刊・第69巻9号 通巻第1081号」 .
医療情報研究所 編(2022)「公衆衛生がみえる 2022-2023」メディックメディア .
IPSA心理学大学院予備校(2022)「公認心理師試験対策標準テキスト’22〜’23年版」秀和システム P349-354 .
IPSA心理学大学院予備校(2022)「過去問5回分+実力養成用科目別練習問題 公認心理師試験対策 2022年版」秀和システム.
標準保健師講座 編集室(2022)「2023年版 医学書院 保健師国家試験問題集」医学書院.
医療情報科学研究所(2022)「クエスチョン・バンク 保健師国家試験問題解説 2023 第15版」メディックメディア.
医療情報科学研究所 編(2022)「保健師国家試験のためのレビューブック 2023 第23版」メディックメディア .
荒井 直子 他 編(2022)「公衆衛生看護学.jp  第5版 データ更新版」インターメディカル.
車谷典男・松本泉美 編(2016)「疫学・保健統計ー看護師・保健師・管理栄養士を目指すー」健帛社.
下山 晴彦 編(2014)「誠心 心理学辞典(新版)」誠信書房.

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