
今回は看護や心理の国試にも出題されたことがある「自己効力感」についてまとめてみました。当初は学習ノートのつもりで書きはじめたのですが、だんだんと「何よりも大切な感覚だ〜」と思うようになりました。



心理師にとって、とても大切な概念です。
出会うクライエントさんの「セルフエフィカシー」が順調に育っていってくれることを何よりも願っています。
バンデューラのいう「自己効力感」とは?
バンデューラは、人が何か行動を起こして結果を出すまでに、効力期待と結果期待の2つが存在すると考えました。
生きていると何度か大きな困難に直面して、その度にその困難を乗り越えることが求められます。
でも思い切った行動に踏み出せるかどうかは人によって違います。
この行動力を左右するのが個々の自信です。
「自己効力感」という概念で理論化されています。


効力期待と結果期待
まずは何かの結果を出すために必要な行動をどの程度うまく実施できるか・・と考えて期待することを「効力期待」といいます。そしてその行動がどんな結果を生み出すのか・・といった期待、「結果期待」を持つことになります。
バンデューラは特に、前者の「効力期待」が重要と考えて、その期待感を「自己効力感」としました。
自己効力感の源泉
- 達成体験:自分自身で何かを達成したり、成功したりした経験のこと
- 代理経験:自分以外の他者が何かを達成したり成功したりする姿を観察すること
- 言語的説得:自分がうまくできるということを他者から説得されること
- 生理的喚起:気分の高揚によるもの



「やった〜できた!」=達成体験
「あ〜やったらうまくいくんだ」=代理経験
「君ならできる」=言語的説得
「よっしゃ、これでイケる」=生理的喚起
自分に期待が持てない時は・・・


学習性無力感とはどんなこと?
実はこの「学習性無力感」は犬を利用した実験によって見出された概念です。
愛犬家の私にとっては辛い実験なのですが、人に置き換えてもいえる結果が出ています。
実験には2つのグループに分けられた犬が用いられました。
犬は不快な電気ショックが与えられますが、片方の逃避可能群の犬には、電気ショックが与えられるとそこから逃げ出すことができる形になっています。
一方、逃避不可能群の犬は、逃げることができないようなベルトを着けられ、電気ショックを与えられても、ただただそれを受け続けなければなりませんでした。
結果、逃避不可能群の犬は、いつでも逃げ出せる状態になっても、電気ショックの合図を聞いただけで、ただただそれを受け続け、うずくまっていたというのです。
犬は「自分は何をやってもどうにもならない・・無駄だ」と強く感じたのでしょう。
このネガティブな学習によって身についた感覚こそが「学習性無力感」ということになります。



こんな実験は本当にやめてほしい。
僕はゼッタイに嫌です。
つらい経験なんてしたくない!!



日常的な家庭内暴力や度重なる不幸な出来事の遭遇などによって私たち人間は、前向きに生きることを諦め、幸福な世界から遠ざかってしまうことがあります。
希望を持ち続けることの背景には今回、勉強した「自己効力感」の育ちが関係しているのだと実感します。
この感覚は幼少期からの経験がとても大切です。
みんな一度きりの人生を生きているので、何か自分なりの世界を構築して有意義な時間を過ごしたいな〜と考えています。
小さなことから少しずつ達成できるようになりたいです。


荒井 直子 他 編(2022)「公衆衛生看護学.jp 第5版 データ更新版」インターメディカル P77. P191.
越智 啓太(2016)「心理学ビジュアル百科」創元社 P138-139.
コメント