
今回は心理や看護、福祉など多くの領域で必ず学習する「ライフサイクル論」についてまとめてみました。
基礎的な内容については、高校でも学ぶ機会があったのではないかと思います。
復習も兼ねてもう一度、内容確認をしておいてください。



せっかくなので、乳幼児期から老年期の各期で気をつけるべき保健行動についても一緒に学んでおいてくださいね。
ライフサイクル(人生周期)とは
人間は生まれてから死ぬまで様々な経験をしながら生きています。
ライフサイクルについては、生物学、医学、心理学、社会学などの知見を統合しながら理論の構築が行われてきました。
受精 ⇨ 胎内での発育 ⇨ 出生後の発育 ⇨ 成長 ⇨ 成熟 ⇨ 衰退 ⇨ 死
ハヴィガーストの発達理論
- 幼児期(0〜5歳)
- 児童期(6〜12歳)
- 青年期(13〜18歳)
- 壮年期(19〜29歳)
- 中年期(30〜60歳)
- 老年期(61歳以上)
エリクソンの自我発達理論
- 乳児期:「基本的信頼 」対 「基本的不信」・・・希望を獲得
「信頼」が「不信」を超えて「希望」を獲得すべき時期です。
人生最初の段階で得られる信頼は「基本的信頼感」と呼ばれ、自分が受け入れられているという感覚です。
人としての最も重要な心の基盤となります。 - 幼児期前半:「自律性」 対 「恥・疑惑」・・・意思力を獲得
心身両面の自立の第一歩となる時期です。
排泄や食事、衣類の着脱などの生活動作を自信をもって行い、自我が形成されていきます。
第一次反抗期が見られる時期でもあります。 - 幼児期後半:「積極性」 対 「罪悪感」・・・目的意識を獲得
自分で考えて行動するようになります。
好奇心が旺盛になり、いたずらも増えてくる時期です。 - 学童期:「勤勉性」対 「劣等感」・・・適格意識を獲得
「やればできる」という経験を積み重ねて、努力することを覚えていきます。
失敗もありますが、劣等感が残らないように注意しなければならない時期です。 - 青年期:「アイデンティティの確立」 対 「役割の拡散」・・・忠誠心を獲得
「自分とは何か、どうあるべきか、こうなりたい」というアイデンティティが形成される時期です。
青年期の前半(思春期)では、第二次反抗期とも重なり大きな悩みや困難を抱える場合があります。 - 前成人期:「親密性」 対 「孤立」・・・愛の能力を獲得
確立されたアイデンティティをもとに現実生活で、職業を持ったり、恋愛・結婚を経験する時期でもあります。
異性・同性を問わず、親密な関係を構築していくことが大切ですが、自己防衛から孤独に陥ることがあります。 - 成人期:「生殖性」 対 「停滞」・・・世話(ケア)する力を獲得
自分だけでなく他者の成長を助けることを学ぶ時期です。
この時期は家庭においても社会においても中心的存在になり、リーダーシップの役割を果たします。 - 老人期:「統合性」 対 「絶望」・・・英知を獲得
自分の人生を否定的にとらえるのではなく、「これでよかった。これしかなかった」と思えるような段階です。
この感覚に乏しいと、死への恐怖や絶望が生じることになります。



自我の発達については、人生の初期で獲得する「基本的信頼感」がとても重要だと実感しています。
人としての基本は、樹木にたとえると根の部分になります。
やはり根っこがしっかりしていなくては、大樹は育ちません。
弱い風が吹いただけでも倒れてしまいますので、子育て期の親子を大事に包摂する社会づくり(子育て支援)が日本でも望まれていると思います。
乳幼児期の保健活動:出生直後から就学前まで


学童期の保健活動:小学校入学時期(6〜12歳)


思春期の保健活動:13歳〜18歳くらいに相当


青年期の保健活動:10歳代後半〜20歳代前半ころ


成人期の保健活動:20歳代後半〜60歳代半ばまで


老年期の保健活動:60歳代半ば以降





僕は今、3歳です。
人間でいうと28歳くらいだそうです。
まだまだアイデンティティの確立にむかって、やってみたいことが山ほどあります。



以前の時代と比較して現在は、青年期が延長しているとも考えられています。自己同一性(アイデンティティ)の確立にむけた歩みには個人差もあると思いますので、「自分らしさ」を大切にしていただきたいと考えています。



先日、映画館で実写版の「耳をすませて」を観てきました。
20代半ばの夢や葛藤が描かれていて、自分自身の若き頃を思い出しました。
「自分には何があるのか、何ができるのか、何を諦めれば良いのか・・」
また、自分自身の軸(樹の根っこのようなもの)は、年齢を重ねてもあまり変化しなことにも驚きました。
特に10代、20代の青年期を生きている人にオススメの作品ではないかとhokenCは感じました。
一般財団法人 構成労働統計協会(2022)「国民衛生の動向・厚生の指標 増刊・第69巻9号 通巻第1081号」.
医療情報研究所 編(2022)「公衆衛生がみえる 2022-2023」メディックメディア.
IPSA心理学大学院予備校(2022)「公認心理師試験対策標準テキスト’22〜’23年版」秀和システム.
IPSA心理学大学院予備校(2022)「過去問5回分+実力養成用科目別練習問題 公認心理師試験対策 2022年版」秀和システム.
標準保健師講座 編集室(2022)「2023年版 医学書院 保健師国家試験問題集」医学書院.
医療情報科学研究所(2022)「クエスチョン・バンク 保健師国家試験問題解説 2023 第15版」メディックメディア.
医療情報科学研究所 編(2022)「保健師国家試験のためのレビューブック 2023 第23版」メディックメディア .
荒井 直子 他 編(2022)「公衆衛生看護学.jp 第5版 データ更新版」インターメディカル P223-228.
車谷典男・松本泉美 編(2016)「疫学・保健統計ー看護師・保健師・管理栄養士を目指すー」健帛社.
下山 晴彦 編(2014)「誠心 心理学辞典(新版)」誠信書房.
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