
今回は日本の「がん対策」について学習しました。
がんは日本人の死因の第1位をしめ、とても身近な病気であるということができます。



医療機関では、がん患者さんによく出逢います。
がんは、診断時の部位によって治療方針や経過が違いますが、病変を早期に発見し、早期治療につなげられれば、比較的良好な状態で社会復帰ができるようになってきました。
日本におけるがん対策


悪性新生物(がん)は1981年以降、死亡原因の第1位で日本の重要な健康課題となっています。
2006年には「がん対策基本法」が、2013年には「がん登録等の推進に関する法律」が制定されています。
がん対策推進基本計画
2007年に第1期 ⇨ 2012年に第2期 ⇨ 2017年に第3期 が計画推進されています。
がん検診の種類:健康増進法に基づく努力義務(市町村が実施)


- 胃がん
胃部X線検査または胃内視鏡検査、50歳以上、2年に1回 - 肺がん
胸部X線検査・喀痰細胞診(50歳以上で喫煙指数600以上)、40歳以上、年1回 - 大腸がん
便潜血検査(免疫2日法)、40歳以上、年1回 - 乳がん
乳房X線検査(マンモグラフィ)、40歳以上、2年に1回 - 子宮頸がん
視診・子宮頸部の細胞診および内診・必要に応じてコルポスコープ検査、20歳以上、2年に1回
がん対策基本法:2006年に成立


がん対策基本法 〜がん対策を総合的・計画的に推進〜
基本的施策
- がん予防・早期発見の推進
- がん医療の均てん化の促進等
- 研究の推進等
- がん患者の就労等
- がんに関する教育の推進
がん対策推進基本計画(第3期) 〜がん対策基本法の基本的施策の推進〜
全体目標
- 科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実 〜がんを知り、がんを予防する〜
- 患者本位のがん医療の実現 〜適切な医療を受けられる体制を充実させる〜
- 尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築
〜がんになっても自分らしく生きることのできる地域共生社会を実現する〜
個別目標
全国がん登録:がん登録推進法に基づく登録(2016年1月から開始)


国(国立がん研究センター)に設置されたデータベースシステムにオンライン入力します。
「全国がん登録データベース」では都道府県が入力した患者の情報を整理し、データを一元化しています。
がんのリスクと予防法


日本人のためのがん予防法
- 喫煙:タバコを吸わない、他人のタバコの煙を避ける
- 飲酒:飲むなら、節度ある飲酒をする
- 食事:バランスよく・食塩を最小限に・野菜や果物不足にならない・熱い状態のものを取らない
- 身体活動:活動的に
- 体形:適正な範囲内に
- 感染:肝炎ウイルス感染検査とピロリ菌検査を
主な悪性腫瘍のリスク因子
- 胃癌:喫煙、野菜果物摂取不足、塩蔵品、ヘリコバクター・ピロリ
- 食道癌:喫煙、飲酒、野菜果物不足、肥満(腺癌)、熱い飲食物
- 大腸癌:運動不足、肥満、喫煙、飲酒、貯蔵肉
- 肝癌:喫煙、飲酒、B型・C型肝炎ウイルス、アフラトキシン
- 肺癌:喫煙、飲料水中のヒ素、大気汚染
- 口腔癌:喫煙、飲酒、野菜果物摂取不足、熱い飲食物
- 咽頭癌:喫煙、飲酒、熱い飲食物、EBウイルス
- 喉頭癌:喫煙、飲酒
- 乳癌:飲酒、喫煙、肥満(閉経後)、運動不足、ホルモン剤使用
- 子宮頸癌:喫煙、ヒトパピローマウイルス
- 子宮体癌:肥満、運動不足
- 腎癌:喫煙、肥満
- 膀胱癌:喫煙、ビルハルツ住血吸虫、飲料水中のヒ素
- 皮膚癌:飲料水中のヒ素、紫外線
- 白血病:喫煙(骨髄性白血病)、ヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型



特に「喫煙」が、あらゆる悪性新生物のリスク因子になっていると考えられます。保健師としては禁煙に向けた保健指導や教室の運営などを実施・評価するプロセスが重要になってきています。



国試では禁煙について出題されることがあります。
併せて「健康増進法」についても復習をしておくと安心ですね。


復習ページ:健康増進法(2002年に制定され翌年5月から施行)
健康づくり対策を推進していくための活動
- 基盤整備
- 情報提供の推進
- 生涯を通じた保健事業の一体的推進
2018(平成30)年7月に健康増進法の一部が改正され、学校・病院・児童福祉施設等、行政機関では原則敷地内禁煙となリました。
2020(令和2)年4月には全面施行され、多くの施設において屋内は原則禁煙となっています。
「健康増進法」は健康診査の実施等に関する指針、健康増進計画の策定、国民健康・栄養調査、健康増進事業、受動喫煙防止、特定保健用食品などについて定められています。
- 健康増進計画:地域の実情に応じた健康づくりの推進のため、都道府県健康増進計画(義務)、市町村健康増進計画(努力義務)を策定しています。
策定にあたっては人口動態統計、医療・介護に関する統計、特定健康診査データ等を活用し策定しています。 - 市町村が行う健康増進事業:健康増進法 17条、19条
- 健康手帳
- 健康教育
- 健康相談
- 訪問指導
- 総合的な保健推進事業
- その他の事業(歯周疾患検診、骨粗鬆症検診、肝炎ウイルス検診、がん検診等)
受動喫煙防止:2020年から全面施行(健康増進法改正)
国・地方自治体は望まない受動喫煙が生じないよう、受動喫煙に関する知識の普及、意識の啓発、必要な環境整備等の措置を推進するよう努めなければならない。
都道府県知事が、施設の管理権限者に対して指導、命令、勧告を実施したあとも改善が見られない場合、罰則が適応される。



僕はタバコの匂いが苦手です。
できればみんなに禁煙してほしいな〜
一般財団法人 構成労働統計協会(2022)「国民衛生の動向・厚生の指標 増刊・第69巻9号 通巻第1081号」.
医療情報研究所 編(2022)「公衆衛生がみえる 2022-2023」メディックメディア P196-198.
IPSA心理学大学院予備校(2022)「公認心理師試験対策標準テキスト’22〜’23年版」秀和システム.
IPSA心理学大学院予備校(2022)「過去問5回分+実力養成用科目別練習問題 公認心理師試験対策 2022年版」秀和システム.
標準保健師講座 編集室(2022)「2023年版 医学書院 保健師国家試験問題集」医学書院.
医療情報科学研究所(2022)「クエスチョン・バンク 保健師国家試験問題解説 2023 第15版」メディックメディア.
医療情報科学研究所 編(2022)「保健師国家試験のためのレビューブック 2023 第23版」メディックメディア.
荒井 直子 他 編(2022)「公衆衛生看護学.jp 第5版 データ更新版」インターメディカル.
車谷典男・松本泉美 編(2016)「疫学・保健統計ー看護師・保健師・管理栄養士を目指すー」健帛社.
下山 晴彦 編(2014)「誠心 心理学辞典(新版)」誠信書房.
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