
今回は疫学調査の誤差や交絡因子、年齢調整死亡率等について学習しています。少し専門的な用語が乱立している感じもしますが、ここでひとつひとつ丁寧に覚えていきたいと思っています。



国試では計算式も含めた問題が出題されます。
年齢調整死亡率や標準化死亡比についても理解する必要性があります。
偶然誤差と系統誤差:QB P479-480


- 対象者を選択する時点やその過程で、集められた対象者に偏りが生じるバイアスを何といいますか?
-
選択バイアス
- 対象者の属性によって、調査者の情報の聞き取り方に偏りが生じることを何バイアスといいますか?
-
調査者バイアス
- 疾病やその発症要因に関連する情報が正しく把握されていないことを情報バイアスといいますが、どのようなバイアス(3種類)がありますか?
-
思い出しバイアス
調査者バイアス
診断バイアス - 系統誤差とはどのようなものですか?
-
特定の要因が影響して、ある方向へ偏って生じる誤差のこと
(選択バイアス・情報バイアスがあります)
信頼性・妥当性・交絡因子:QB P481-487
- 「繰り返し検査を行っても同じ結果が得られるか」という結果の再現性・反復性を示すものを何といいますか?
-
信頼性
*偶然誤差が小さいほど信頼性は高くなります。 - 「測定したいものを正確に測定できているか」ということを示すものを何といいますか?
-
妥当性
*系統誤差が小さいほど妥当性は高くなります。 - 曝露因子と疾病の双方に関係があるために、両者に見かけ上の因果関係をもたらす要因のことを何といいますか?
-
交絡因子(性別や年齢は交絡因子になることが多い)
- 曝露群と非曝露群における性別や年齢などの交絡因子の分布が同じになるよう研究参加者を選定することを何といいますか?
-
マッチング
*症例対照研究の交絡因子の制御に用いられます。 - 研究デザインにおける交絡因子の制御方法にはどのようなものがありますか?
-
【サンプリングと割付の段階】
対象者の限定
標本サイズの決定
マッチング
ランダム化(無作為化、ランダム割付)
マスク化(盲検法)
【分析段階】
層化(層別化)解析
標準化:2つ以上の集団では基準集団を定め、性別や年齢の分布を当てはめ比較すること(直接法・間接法)
多変量モデルを用いた統計学補正


*ここでちょっと疫学調査法の復習をしてみよう*
交絡とその制御法
交絡因子とは「曝露因子と疾病の双方に関係があるため、両者に見かけ上の因果関係をもたらす要因のこと」
妥当性を高めるために、ランダム化、限定、マッチング、層化、標準化等を行う
ランダム化とは偏りを避けるために、介入群と非介入群に無作為に割り付けることで、確率的に均等に割り振ること(交絡因子の制御ができる)
盲検法(ブラインド、マスキング)
参加者の誰が介入(曝露)群で、誰が非介入(非曝露)群かを参加者がわからないように割り付けて、バイアスを取り除くこと。特に研究実施者にも参加者にもどちらの群に属しているかわからなくすることを二重盲検という
限定(制限)
研究対象者をある特定の特徴を有した集団に限定すること
マッチング
性別や年齢、居住地域などを症例と一致させることをいう(少数の場合に用いることが多い)
層化(層別化)
交絡因子となり得る因子について、男女別、年齢階層別など母集団をいくつかの均質な集団に分けて解析を行う方法
調査後の解析段階における制御法の一つ
標準化
2つ以上の集団で観察されるイベントの発生頻度を比較する場合に、基準集団を定め、主な交絡因子の影響を排除した指標を計算する方法
調査後の解析段階で用いられる
年齢調整死亡率
年齢という交絡因子の影響を排除し、年齢構成の異なる集団間の死亡率を比較する際に用いられる
直接法
観察集団の年齢調整死亡率を用いて計算するため、都道府県等の年齢階級別死亡率がわかる大規模な集団で適応される
年齢調整死亡率(直接法)=(観察集団の年齢階級死亡率✖️基準集団の年齢階級別人口)の各年齢階級の合計/基準集団の人口の総和 ✖️100,000
間接法
標準化死亡比(SMR)を用いる
市町村等の年齢階級別死亡率がわからない小規模な集団に用いられる
年齢調整死亡率(間接法)=基準集団の死亡率✖️(SMR÷100)✖️100,000
標準化死亡比(SMR)
観察集団が基準集団と同じ死亡率であると仮定した時に、観察されるであろう死亡数(期待死亡数)と、観察集団の実際の死亡数との比
SMR=観察集団の死亡数/(基準集団の年齢階級別死亡率✖️観察集団の年齢階級別人口)の各年齢階級の合計✖️100
SMR=100・・・観察集団と基準集団の死亡水準が同じ
SMR>100・・・観察集団の死亡水準が基準集団の死亡水準より高い
SMR<100・・・観察集団の死亡水準が基準集団の死亡水準より低い


年齢調整死亡率・標準化死亡比(SMR):QB P488-500
- 年齢という交絡因子の影響を排除し、年齢構成の異なる集団間の死亡率を比較する際に用いられる死亡率を何といいますか?
-
年齢調整死亡率
- 観察集団が基準集団と同じ死亡率であると仮定した時に、観察されるであろう死亡数(期待死亡数)と、観察集団の実際の死亡数との比を何といいますか?
-
標準化死亡比(SMR)



いろいろ計算とかやってみないとわからないことが多いな〜
問題集にもチャレンジしてね
医療情報科学研究所(2022)「クエスチョン・バンク 保健師国家試験問題解説 2023 第15版」メディックメディア P479-500.
医療情報科学研究所 編(2022)「保健師国家試験のためのレビューブック 2023 第23版」メディックメディア.
一般財団法人 構成労働統計協会(2022)「国民衛生の動向・厚生の指標 増刊・第69巻9号 通巻第1081号」.
医療情報研究所 編(2022)「公衆衛生がみえる 2022-2023」メディックメディア.
標準保健師講座 編集室(2022)「2023年版 医学書院 保健師国家試験問題集」医学書院.
荒井 直子 他 編(2022)「公衆衛生看護学.jp 第5版 データ更新版」インターメディカル.
車谷典男・松本泉美 編(2016)「疫学・保健統計ー看護師・保健師・管理栄養士を目指すー」健帛社.
コメント