[公衆衛生がみえる]を読む⑹:EBM(根拠に基づいた医療)と統計解析

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今回は疫学や保健統計に関する領域として、EBM(根拠に基づいた医療)と統計解析の方法について学習しました。この領域では保健医療福祉系の資格試験で共通して出題される項目が多く含まれているのではないかと感じました。

心理師

今回の内容は、臨床心理士や公認心理師の資格試験においても心理学統計などの基礎知識として学習しておかなくてはならないキーワードが含まれています。
帰無仮説とか対立仮説といった項目は必修だと考えています。

目次

EBM(根拠に基づいた医療)の実践:「公衆衛生がみえる 2022-2023」P32-33

EBM(根拠に基づいた医療)の5つのステップ

EBMとは、既存の医療情報や研究成果医療者の技術や経験患者の価値観を統合して医療を行う考え方のことをいいます。

ステップ1:患者の問題の定式化
ステップ2:文献情報の収集
ステップ3:文献の批判的吟味
ステップ4:患者への適用
ステップ5:事後評価

システマティックレビュー・メタアナリシス(メタ分析)

システマティックレビュー

あるテーマに関して一定の基準を満たした研究論文のデータを網羅的に収集し、EBMの検証手順にそってまとめる手法のことをいいます。

  1. 研究テーマの設定
  2. エビデンスをもれなく収集
  3. 各エビデンスの妥当性評価
  4. メタアナリシスによる統計学的解釈
  5. 結果の解釈
  6. 編集と更新

メタアナリシス(メタ分析)

システマティックレビューの過程で行う類似条件で行われた複数の研究結果を、オッズ比などを用いて定量的に統合し、一つの結果にまとめ上げる解析方法のことをいいます。

エビデンスの強さの7段階

強い順に

Ⅰ ・・・システマティックレビュー、RCTのメタアナリシス
Ⅱ ・・・1つ以上のランダム化比較試験(RCT)による
Ⅲ ・・・非ランダム化比較試験による
Ⅳa・・・分析疫学的研究(コホート研究)
Ⅳb・・・分析疫学的研究(症例対照研究、横断研究)
Ⅴ ・・・記述研究(症例報告やケースシリーズ)
Ⅵ ・・・患者データに基づかない、専門委員会や専門家個人の意見

統計解析の基礎:「公衆衛生がみえる 2022-2023」P34-37

分布の代表値

平均値

標本の個体データを合計し、標本サイズで除した値
分布の歪みや極端に離れた値に影響されやすい

中央値

個体を昇順または降順に並べた際、中央にくるデータの値
分布の歪みや極端な値に影響されにくい

最頻値

最も出現頻度の高い値
分布の歪みや極端な値の影響を受けにくいが、階級分けの方法により値が変化する

標準偏差:データの散らばりの度合いを示す値

標準偏差を求めるには、分散(それぞれの数値と平均値の差の二乗平均)の正の平方根を取ります。
データが平均値の周りに集中していれば標準偏差は小さくなり、逆に平均値から広がっていれば標準偏差は大きくなります。

統計学的検定

統計学的仮設検定

ある命題が正しいことを証明する際に、その命題が偽りと仮定したもとで矛盾が生じることを示すことで、命題がまことであることを証明する手法
自分の主張する仮説とは逆の帰無仮説を立て、データから帰無仮説を否定することで、主張したい対立仮説を証明する方法

ステップ1:帰無仮説と対立仮説を立てる

ステップ2:「帰無仮説のもとでこれが起こりうる確率がどの程度であれば、まれと考えるか」このまれの度合いを判断する有意水準(通常5%)を設定する

ステップ3:収集したデータから「帰無仮説での差と実際のデータでの差の不一致を示した確率」を計算する

p値<有意水準(5%)・・・2群間に統計的な有意差あり
p値>有意水準(5%)・・・2群間に統計的な有意差なし

第1種の過誤(αエラー)とは

帰無仮説が正しいにもかかわらず誤って棄却すること

第2種の過誤(βエラー)とは

帰無仮説が誤っているのに誤って採用すること

t 検定とカイ二乗(χ2)検定

t 検定=2群のデータの平均値の差をみる

データは左右対称の分布に従う連続量データ
(例)異なる2群の体重の差、同じ1群の血圧の早朝と午後の差

カイ二乗(χ2)検定=2群のデータの割合の差をみる

データは疾患のある/なし などで表される2値のデータ
(例)ある地域の水源と感染症の関連の有無、薬物投与群と非投与群の治療効果の差

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過去問題の復習はこちらのアーカイブ記事で・・

文献

医療情報科学研究所(2022)「クエスチョン・バンク 保健師国家試験問題解説 2023 第15版」メディックメディア.
医療情報科学研究所 編(2022)「保健師国家試験のためのレビューブック 2023 第23版」メディックメディア.
一般財団法人 構成労働統計協会(2022)「国民衛生の動向・厚生の指標 増刊・第69巻9号 通巻第1081号」.
医療情報研究所 編(2022)「公衆衛生がみえる 2022-2023」メディックメディア P32-37.
標準保健師講座 編集室(2022)「2023年版 医学書院 保健師国家試験問題集」医学書院.
荒井 直子 他 編(2022)「公衆衛生看護学.jp  第5版 データ更新版」インターメディカル.
車谷典男・松本泉美 編(2016)「疫学・保健統計ー看護師・保健師・管理栄養士を目指すー」健帛社.

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