[公衆衛生がみえる]を読む⑻:人口動態統計(出生・死亡・婚姻・離婚)

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今回は人口動態統計の出生・死亡・婚姻・離婚等について復習をしています。保健師や看護師の国家試験では必ずといってよいほど出題される可能性が高い領域だと思います。今までに何度か勉強してきた項目が多いと思いますが、ここでしっかりと押さえておきたいな〜と感じています。

保健師

最新のデータについては「国民衛生の動向」をチェックする必要性があります。この記事の後半部分に「人口動態のまとめ」がありますので、読んでおいてくださいね。

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「〇〇率」の計算はどうやって出すのか、知っておくことが大事だな〜

目次

出生:「公衆衛生がみえる 2022-2023」P44-47

2020年(出生数・死亡数・婚姻数・離婚数) それ以外は2019年のデータです

出生数・出生率

出生数:84.1万人
出生率=1年間の出生数÷その年の人口×1,000   7.0(人口千対)

合計特殊出生率・総再生産率・純再生産率

合計特殊出生率=母の年齢別出生数÷同年齢の女子人口 の15〜49歳の合計  1.36
総再生産率=母の年齢別女児出生数÷同年齢の女子人口 の15〜49歳の合計  0.66
純再生産率=(母の年齢別女児出生数÷同年齢の女子人口)×(女の生命表の同年齢の定常人口÷10万人) の15〜49歳の合計  0.66

死亡:「公衆衛生がみえる 2022-2023」P48-50

死亡数:137.3万人

粗死亡率・年齢調整死亡率

粗死亡率=1年間の死亡数÷その年の人口×1,000  11.2(人口千対)
年齢調整死亡率(直接法)=(観察集団の年齢階級別死亡率×年齢階級別基準人口)の各年齢階級の合計を基準人口の総数(昭和60年モデル人口)で割ったものに ×1,000 男4.6(人口千対)、女2.4(人口千対)

結婚と離婚:「公衆衛生がみえる 2022-2023」P51-53

婚姻:52.6万件 婚姻率 4.8(人口千対)

離婚:19.3万件 離婚率 1.69(人口千対)

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最新の「国民衛生の動向」のまとめはこちらです

人口動態のまとめ:
「国民衛生の動向・厚生の指標 増刊・第69巻9号 通巻第1081号」P49-71

人口動態統計は、出生、死亡、死産、婚姻、離婚といった事象を把握し、人口および厚生労働行政施策の基礎資料を得ることを目的として、明治32年から実施しています。

出生

  1. 合計特殊出生率は15〜49歳の女性の年齢別出生率を合計したもので、令和3年は1.30という結果でした。
  2. 人口置換水準とは、ある死亡水準の下で人口が長期的に増えもせず減りもせず一定となる出生の水準のことをいいます。2.24が基準になっていますが、昭和31年に2.22となり、以降は多少の増減はあるものの減少傾向が続いています。
  3. 平成9年以降は、女性人口(15〜49歳)の減少によって出生率の高い25〜34歳の人口がさらに減少し、平成28年には出生数が100万人を下回りました。
    令和3年は81万1604人と過去最低を更新しています。
  4. コホート合計特殊出生率とは、実際に1人の女性が一生に生む子ども数のことをいいます。
    1982〜1986年生まれ(令和3年における35〜39歳の世代)の39歳までのコホート合計特殊出生率は約1.45で、令和3年の期間合計特殊出生率1.30を上回っています。
  5. 母の年齢別出生率を女児だけについて合計した総再生産率と、さらにこの女児が妊娠可能な年齢を過ぎるまでの死亡を見込んだ純再生産率があります。
    令和2年はそれぞれ0.65、0.64という結果でした。
  6. 都道府県別の出生については、低率県が東京、宮城、北海道、千葉、秋田などで、高率県が沖縄、鹿児島、宮崎、島根、長崎などでした。
  7. 出生順位別の母親の平均年齢は、令和2年で第1子30.7歳、第2子32.8歳、第3子33.9歳という結果でした。
    第1子出生時の母親の年齢をみると、令和3年では25〜29歳が33.6%と最も多く、次いで30〜34歳が33.0%、35〜39歳が16.8%という結果でした。
  8. 出生時の平均体重は令和2年で男3.05kg、女2.96kgとなっていました。
    2.5kg未満の低体重児の割合は、令和2年で男8.2%、女10.3%となっています。

死亡

  1. 令和3年の死亡数は143万9809人で、人口千人に対する粗死亡率は11.7で前年の11.1よりも上昇しています。
  2. 年齢調整死亡率は、基準人口を用いて年齢構成のゆがみを補正するため、死亡の状況の時系列比較や国際比較、都道府県間の比較に適しています。
    令和2年からは「平成27年モデル人口」を使用しています。
  3. 死因統計はWHOの「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)」に準拠して作成された「疾病、傷害及び死因の統計分類」を基に定められたコーディング・ルールに従って行われています。
    平成28年からICD -10(2013年版)が適用されています。
  4. 令和3年の死亡数・死亡率(人口10万対)をみると、第1位は悪性新生物で38万1497人・310.7、第2位は心疾患21万4623人・174.8、第3位は老衰15万2024人・123.8、第4位は脳血管疾患10万4588人・85.2、第5位は肺炎7万3190人・59.6という結果でした。
  5. 令和3年の年齢階級別の死因については、乳児(0歳)と1〜4歳では先天奇形、変形及び染色体異常が最も多く、5〜9歳では悪性新生物が最も多く、10〜39歳の各階級では自殺が最も多いという結果でした。
  6. 悪性新生物の部位別の死亡については、男では気管・気管支及び肺が、女では大腸が最も多くなっています。

妊産婦死亡

  1. 妊産婦死亡は妊娠中または妊娠終了後42日未満の女性の死亡のことをいいます。
  2. 令和2年の妊産婦死亡数は23人で、「直接産科的死亡」は15人、妊娠の生理的作用によって悪化し死亡した「間接産科的死亡」が7人という結果でした。
  3. 妊産婦死亡率とは出産(出生+死産)10万対の死亡をみる統計指標で昭和30年代から大きく低下し、昭和63年に1桁台になっています。
    (日本の母子保健指標は世界トップクラス)

死産

  1. 死産は、妊娠満12週(第4月)以降の死児の出産であり、自然死産と人工死産に分けられます。
  2. 令和3年の死産数は16277胎、そのうち自然死産数は8086胎、人工死産数は8191胎となっています。
  3. 死産率は通常、出産(出生+死産)千対の率で表され、令和3年は19.7という結果でした。自然死産率をみると令和3年で9.8となっています。
  4. 母体保護法による人工妊娠中絶のうち、妊娠満12週から満22週未満までのものは死産統計に含んで年次推移をみています。
  5. 中絶件数は昭和30年に117万件を超えていましたが、令和2年は14万1433件となっています。
  6. 死産の原因は、ほとんどが周産期に発生したその他の障害ですが、わずかに先天奇形、変形及び染色体異常がみられます。
    母親の病態でみると、母体の感染症及び寄生虫症によるもの、腎及び尿路疾患によるものが多いという結果でした。
  7. 令和2年の死産数は、自然死産のうち満24週未満のものが全体の78.2%で、人工死産は満12〜15週が全体の39.6%を占めていました。
  8. 自然死産率は25〜29歳が7.6で最も低く、人工死産の割合は30〜34歳が最も低く、そこから若年・高年層になるほど高くなっています。
  9. 周産期死亡とは、妊娠22週以降の死産と生後1週未満の早期新生児死亡を合わせたものをいいます。
  10. 周産期死亡率は、出生数に妊娠満22週以後の死産数を加えたものの出産千対であらわしたものです。
  11. 令和3年の周産期死亡数は2,741(胎・人)であり、そのうち妊娠満22週以後の死産数は2,236胎、早期新生児死亡は505人という結果でした。
    周産期死亡率は3.4で前年より上昇しました。

乳児死亡

  1. 生後1年未満の死亡を乳児死亡といい、通常出生千対の乳児死亡率で観察をしています。
  2. 生後4週未満の新生児死亡、特に生後1週未満の早期新生児死亡は先天的な要因によることが多いといえます。
  3. 令和3年は乳児死亡率が1.7、新生児死亡率が0.8、早期新生児死亡が0.6となっています。
  4. 令和2年の乳児死亡の原因で最も多いのは先天奇形、変形及び染色体異常で36.0%、次いで周産期に特異的な呼吸障害及び心血管障害、乳幼児突然死症候群となっています。

婚姻

  1. 令和3年の婚姻は50万1116組で前年より2万4391組減少しています。
    婚姻率(人口千対)は4.1で前年に比べて0.2ポイント低下しました。
  2. 令和3年の平均初婚年齢では夫31.0歳、妻29.5歳で、平成12年と比較し夫は2.2歳、妻は2.5歳高くなっています。
  3. 令和2年は初婚同士が婚姻件数の73.6%を占め、再婚同士の割合は9.8%という結果でした。

離婚

  1. 離婚については近年減少傾向にあり、令和3年は18万4386組で、前年より8867組減少しました。離婚率(人口千対)は1.50で前年に比べ0.07ポイント低下しました。
  2. 離婚に際し調停・審判・判決などの家庭裁判所の介入を要したものは1割程度でした。
  3. 子どもの親権に関しては、子どもの数にかかわらず妻が引き取る割合が8割以上と高い傾向が続いています。

文献

医療情報科学研究所(2022)「クエスチョン・バンク 保健師国家試験問題解説 2023 第15版」メディックメディア.
医療情報科学研究所 編(2022)「保健師国家試験のためのレビューブック 2023 第23版」メディックメディア.
一般財団法人 構成労働統計協会(2022)「国民衛生の動向・厚生の指標 増刊・第69巻9号 通巻第1081号」P49-71.
医療情報研究所 編(2022)「公衆衛生がみえる 2022-2023」メディックメディア P44-53.
標準保健師講座 編集室(2022)「2023年版 医学書院 保健師国家試験問題集」医学書院.
荒井 直子 他 編(2022)「公衆衛生看護学.jp  第5版 データ更新版」インターメディカル.
車谷典男・松本泉美 編(2016)「疫学・保健統計ー看護師・保健師・管理栄養士を目指すー」健帛社.

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